「のどにつかえがある」「のどに違和感」深刻な病気のサインかも…考えられる病気とは？医師が解説

「のどにつかえがある」「のどに違和感」で考えられる病気は？

食道がん

「のどにつかえがある」「のどに違和感」の症状で考えられる病気のひとつとして、食道がんが考えられます。

食道がんは、発生してすぐの頃には自覚症状がない場合がほとんどであり、がんが進行していくと自覚症状が徐々に現れてきます。

自覚症状が出てきた頃には、がんが進行している可能性が高く、ほかの臓器へ転移している場合もあるでしょう。

食道がんになると、様々な症状が出現する可能性があります。

• 嚥下障害
• 胸がしみるような感覚
• 体重減少
• 胸や背中の痛み
• せき
• 嗄声など

特に、嚥下障害とは、食べ物を飲み込む際にのどや食道に食べ物がつっかえたり、詰まったりする感覚があって、うまくものが飲み込めない状態です。

がんによって食道が塞がれてしまうため、食べ物が通れなくなることでこの症状が起こります。

がんがまだ小さい段階では起こりにくく、通常であれば、食道がんが進行している場合にみられる症状です。

また、口から入った食べ物が食道を通っていく際に、胸の奥がちくちくする・熱いものを飲み込むとしみると感じることがあり、このサインは食道がんの初期段階にみられる症状のひとつです。

食道がんは初期段階では自覚症状がなく、気付きにくいがんです。

症状を自覚するようになった頃には、進行している可能性がありますが、定期的に検診を受けることや自覚症状に早く気付くことで、早期発見・早期治療が可能です。

食道は、のどと胃をつないでいる消化管の一部であり、ここにがんが発生し進行すると、熱いものがしみる感じや飲み込みづらさが生じます。

食道がんのなかでも日本人がかかる頻度の高い、扁平上皮がんの危険因子は飲酒と喫煙です。

生活習慣を見直し、定期的にがん検診を受けることで食道がんの予防と早期発見に努めましょう。

食道がんの疑いがある場合には、まず消化器内科を受診しましょう。

問診などの一般的な診察に加え、胃カメラや造影検査を行います。

食道がんと確定診断されたら、CTやMRIなどの検査でがんの深さ・広がりを確認し、病期（がんの進行度）と治療方針を決定します。

精密検査や結果説明には大きな不安が伴うため、できれば受診する際には、家族にも同席してもらいましょう。

逆流性食道炎

「のどにつかえがある」、「のどに違和感」を覚える際に考えられる病気として、逆流性食道炎があります。

逆流性食道炎の症状は、非常に多岐に渡ることが知られています。

無症状な方もいる一方で、胸焼けや胸痛、もしくは咽頭違和感などを自覚する場合もあります。

胸やけでは、患者さんは胸が焼ける感じを訴えられ、胃液などが食道に逆流して、食後に胸やみぞおちのあたりが痛む、あるいは胸が締め付けられるような痛みを覚えることもあります。

酸っぱい液体が口まで上がってきてゲップがでることもあれば、逆流した胃酸によってのどや口腔内に炎症が起こることによって喉を痛めることも考えられます。

逆流性食道炎に伴う症状が悪化すると、食べ物が飲み込みづらくなる、声が枯れる、口内炎が多発する、逆流した胃液が気管支を直接刺激して咳や喘息が引き起こされる場合もあります。

逆流性食道炎の代表的な症状である胸のつかえ感やのどの違和感などは、食道がんでも認められる症状であり、重症の逆流性食道炎は食道の悪性腫瘍が同時に発生しやすいことも広く伝えられていますので、十分に注意を払うことが必要です。

まとめ

「のどにつかえがある」、「のどに違和感」の症状で考えられる病気として、食道がんや逆流性食道炎などが考えられます。

食道がんや逆流性食道炎を実際に発症した際にはきちんと治療をしないと、日常生活にさまざまな制限が生じて、生活の質が低下します。

確実な治療を早期に実行することにより、症状が改善することが期待できますので、気になる症状を認めた人は早期的に消化器内科など専門医療機関を受診しましょう。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。