薄毛の原因にも…話題のダイエット「断続的断食」、髪の成長に悪影響の可能性!【最新の研究が示唆】


食事時間を制限する断続的断食(またはインターミッテント ファスティング)は、減量や炎症マーカーを減少させるなど健康上の効果が期待できるダイエットとして人気だが、一方で潜在的なマイナスの影響も示されている。最新の研究によれば、このダイエットが髪の成長を遅らせる可能性があることが明らかになった。
断続的断食とは?
断続的断食は、1日の中で特定の時間帯だけ食事を摂り、それ以外の時間を断食する食事パターンのこと。アメリカでは人口の約13%の人がこのダイエットを取り入れた経験があり、16時間の断食と8時間の食事時間(16:8)や1日おきに行う断食など、さまざまな形式がある。近年の研究では、断続的断食がⅡ型糖尿病、心血管疾患、アルツハイマー病のリスクを低下させるといった健康上の利点が明らかにされている。しかし一方で、胆石、心血管死、大腸がんのリスク増加といった懸念も指摘されている。

髪の成長が平均して18%減少する
断続的断食は体重管理が期待できる一方、髪の成長を遅らせる可能性があることが最新の研究で明らかになった。この発見は、中国浙江省にある西湖大学の研究チームによるもので、発表された内容は美容や健康に関心のある多くの人々の注目を集めている。今回の研究によると、断続的断食を行うことで、髪の成長速度が顕著に低下する可能性があるという。具体的には、18時間の断食を毎日行った健康な若年成人49名を対象とした臨床試験では、平均して髪の成長が18%遅れることが確認された。さらに、この研究ではマウスを用いた実験も実施した。マウスを剃毛し、通常の食事を与えたグループと断続的断食を実施したグループの毛髪再生速度を比較した。その結果、通常の食事を摂取したマウスは30日後に毛が完全に再生したのに対し、断続的断食を行ったマウスは96日経っても部分的な再生にとどまった。

断食中に発生する酸化ストレスが原因?
研究チームが学術誌『Cell』に発表した論文によると、断続的断食は副腎を活性化させ、栄養供給が不安定な時期に組織再生を停止する可能性があるとしている。また、断食中に発生する酸化ストレスが、毛包幹細胞に悪影響を与えることも指摘されている。このようなストレスにより、毛包が「死滅」する場合があると報告された。ニューヨークを拠点とする皮膚科専門医であるブレンダン・キャンプ医師は、この動物実験の結果が示唆する点として、「断食に伴う代謝変化が毛包の成長サイクルに影響を及ぼす可能性」を挙げている。「脂肪を代謝する状態に体が移行する際に発生する酸化ストレスが、髪の成長を妨げると考えられる」と彼は語った。

髪の健康を守るために必要な栄養素は保持しよう
断続的断食による髪の成長への影響を軽減するために、キャンプ医師は鉄、セレン、亜鉛、ビオチン、葉酸、ビタミンDといった栄養素を豊富に含む食事を摂ることを推奨している。これらの栄養素は栄養欠乏症を防ぎ、潜在的な脱毛リスクを減少させる助けになる。さらに、極端なダイエットや急激な体重減少が「休止期脱毛症」と呼ばれる脱毛症状を引き起こす可能性も指摘されている。この症状では、ストレスや体調不良といった状態に対する反応として、大量の脱毛が発生する。
断続的断食のメリットとデメリットを見極める
断続的断食が体重管理や代謝の改善、記憶力の向上などに効果的であることは広く知られている。ジョンズ・ホプキンス大学医療機関の研究でも、この食事法が心臓の健康や体重管理に役立つとされている。しかし、新たな研究が示すように、美容や健康面での影響を包括的に理解することが重要だ。

出典:
Hair growth could slow down with this popular diet plan, study reveals
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