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丸紅、総還元性向40%に上げ 時価総額10兆円超え目標に

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丸紅は5日、2028年3月期まで3年間の新たな中期経営戦略を発表した。稼いだ純利益から配当や自社株買いに充てる割合を示す総還元性向の目標を40%程度とし、現在の目安である30〜35%程度から引き上げる。利益の成長や高い資本効率の維持を通じ、31年3月期までに時価総額で現状の2.6倍となる10兆円超の実現をめざす。

同社が時価総額の定量目標を示すのは初めて。2月5日時点では約3兆8000億円だ。株主から預かったお金から利益を生む効率性を示す自己資本利益率(ROE)の目標は15%とし、現中期戦略期間の目標と同水準を維持する。市場予想平均(QUICKコンセンサス)では丸紅の26年3月期から28年3月期のROEは13%程度の予想だった。

4月に社長に就く大本晶之常務執行役員は同日の記者会見で「商社業界で一番成長する企業になりたい。事業も人材も会社もだ」と語った。

企業価値向上の根幹となるのが利益成長だ。28年3月期の純利益(国際会計基準)は6200億円以上をめざす。年平均で10%程度の成長となる。農業資材や米中古車販売金融など既存の主力事業の成長で900億円増、米車両管理サービスなど現中期戦略期間で実行した投資に由来する利益で500億円増、新中期戦略期間の投資から生む利益で400億円増を想定する。

3年累計の資金配分計画では、2.6兆円のキャッシュインを見込む。内訳は事業活動から創出する「基礎営業キャッシュフロー(CF)」が2兆円、事業売却で回収するキャッシュが0.6兆円だ。キャッシュアウトは投資で1.7兆円、株主還元で0.7兆円を計画し、残り0.2兆円の使途は今後検討する。

現在の16営業本部を26年3月期から10営業部門に再編する。部門ごとの事業領域を広げて成長分野へのシフトを促す。各部門には投資の設計や交渉などの経験豊富な人材からなる専門チームを設け、投資の質を高める。

新たに40%程度とした総還元性向については「その時々のキャッシュの状況によって40%を超えることは十分ありえる」(柿木真澄社長)という。

同日、25年3月期の連結純利益が前期比6%増の5000億円になる見込みだと発表した。従来予想から200億円上方修正した。電力事業などの利益が上振れする。純利益予想は市場予想平均(QUICKコンセンサス、4919億円)を超えた。同時に発表した24年4〜12月期の連結純利益は前年同期比14%増の4251億円だった。

好業績を反映して還元を拡充する。25年3月期に配当を年95円(前期は85円)と従来予想より5円増やす。26年3月期はさらに100円へと上げ、累進配当を続ける。あわせて最大300億円の自社株買いも発表した。上限は発行済み株式総数(自社株を除く)の約1.8%にあたる3000万株。取得は2月6日から6月30日まで。

中期経営戦略などを発表した午前11時に丸紅株は一時前日比6%高まで急伸した。その直後に前日とほぼ同水準まで伸び悩む場面があった。終値は2%高の2307円だった。

米トランプ政権がカナダやメキシコからの輸入品の関税を引き上げた場合の影響については「(業績)インパクトは大きくない」(柿木社長)。丸紅の北中米ビジネスは農業資材や自動車販売金融など米国内で完結するものが大半を占めるためという。

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