マツダのEV用電池工場、山口県岩国市に 27年度稼働へ

マツダは6日、山口県内で2027年度にも稼働を予定している電気自動車(EV)向け電池工場について、同県岩国市に建設すると発表した。旭化成子会社の旭化成建材(東京)の岩国工場跡地を活用する。パナソニックホールディングス(HD)の電池子会社パナソニックエナジーから材料を調達して電池に組み立てる。
パナソニックエナジーから電池の基幹となるセルを調達する。新工場では複数のセルを一定規模に組み上げてモジュールとし、一つの大型部品へと組み立てる工程を担う。完成した電池パックは27年度に販売を計画するバッテリーEVに搭載する予定だ。生産能力は年間10ギガワット時を予定する。
毛籠勝弘社長は同日の年頭記者会見で岩国市を建設予定地とした理由について「防府工場と本社工場の中間に位置し、将来的に両方の工場への供給基地として考えられる」と説明した。
マツダは2030年までにEVの世界販売に占める割合を25~40%とする目標を掲げる。同年度時点でのEV生産比率の見通しについて毛籠社長は「現時点では40%は考えにくい。どちらかというと低い範囲の方に振れている」との見解を示した。
山口県の村岡嗣政知事はマツダの電池工場の建設発表を受けて「蓄電池や半導体の産業集積に積極的に取り組んでいる中、大変喜ばしい。本県の産業力の更なる強化につながることを期待している」とコメントした。