早速
表示
日本語
[編集]
副詞
[編集]名詞・形容動詞
[編集]- 速やかなこと。また、そのようなさま。
- これは、早速の御配慮、まことにかたじけのうございます。(久生十蘭「顎十郎捕物帳 菊香水」)
- 早速だが、これは君のシャツの釦だろうね(江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」)
- 借りた金高は百両でしたが、早速の場合、百両の調達はなかなか容易ではなかつたので、忠興もさすがに弱りきつてゐました。(薄田泣菫「小壺狩」)
- 向後日本の文壇はどう変化するかなどという大問題はなかなか分りにくい。いわんや二三日前まで『文学評論』の訂正をしていて、頭が痺れたように疲れているから、早速に分別も浮びません。(夏目漱石「文壇の趨勢」)
- その帆船のへさきにたたずみ、遙かに海上を眺めながら、追分を唄っている水夫(かこ)があった。(略)「うまい」という声が聞こえて来た。(略)若い侍が立っていた。/「かこなかなか上手だな」至極(しごく)早速な性質と見えて、その侍は話しかけた。(国枝史郎「名人地獄」)