IBM 9370
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IBM 9370は、IBMが1986年に発売した、ミッドレンジのメインフレームコンピュータのシリーズである。
概要
[編集]IBM 9370はSystem/370互換のコンピュータアーキテクチャを持っており、先に発売されたIBM 4300と同様に空冷でオフィスにも設置できたが、更に小型でラックマウント型であった。DECのVAXシリーズに対抗し「VAXキラー」とも呼ばれたが、アプリケーションの少なさなどもあり広くは普及しなかった[1]。
IBM 9370シリーズは、下位より9373、9375、9377などのモデルがあり、専用の磁気ディスク装置には9332や9335、磁気テープ装置には9347などがあり、全て19インチラックに搭載された。オペレーティングシステムはVMとVSE、ミドルウェアはCICSやSQL/DS、簡易開発言語 (4GL) はCSPなどをサポートした。なおIBM 4300とは異なり、全モデルは最後まで S/370互換のみで、S/370-XAモードはサポートしなかった。
IBM 9370は、それぞれの発表時点で、性能面で最上位のIBM 30x0(303x/308x/3090、水冷)、中位のIBM 4300(空冷、ラックマウント)の更に下位に位置した。なお1988年以降は、それぞれ「ES/3090」「ES/4300」「ES/9370」とブランド名称変更された(ESはエンタープライズシステムの略)。
ES/9370の後継は、1990年に発表されたES/9000ファミリーの下位モデルであるES/9221である。
参照
[編集]関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- IBM 9370 INFORMATION SYSTEM OVERVIEW - IBM
- The 1980s - IBM(IBM 9370 の写真あり)