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石田龍次郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

石田 龍次郎(いしだ りゅうじろう、1904年1月4日[1] - 1979年1月11日[1])は、日本の地理学者一橋大学名誉教授。日本地理学会会長(1966-67)。

略歴

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石川県能美郡小松町(現・小松市)で酒類販売商を営む麦谷家の六男として生まれる[1]。14歳で尋常高等小学校の高等科を修了し[1]石川県立小松中学校に入学する[1]。1921年第四高等学校理科甲類に入学し[1]、1924年に卒業[1]1927年東京帝国大学理学部地理学科卒業[1]。在学中は山崎直方辻村太郎多田文男等の指導を受ける。同年4月、石田姓を継いで石田龍次郎と改姓[1]。同年東京商科大学予科講師に就任[1]。同専門部講師[1]予科教授[1]を経て、1949年一橋大学社会学部教授[1][2]1967年、定年退官[1]、名誉教授[1]

1925年に日本地理学会が創立され、その機関誌『地理学評論』が創刊されると編集担当となり、書評・学界雑誌・論説などを寄稿した[3]。晩年は日本地理学史を研究した。ゼミの教え子に澤田浩日本製粉会長[4]宮川公男一橋大学名誉教授などがいる[5]

著書

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  • 『資源経済地理 食糧部門』中興館 1941
  • 『資源経済地理 原料部門』中興館 1942
  • 『きもの その人文地理』矢島書店 1948
  • 『食料の東西 経済地理』矢島書房 1948
  • 『人文地理研究法入門』古今書院 1952
  • 『地理学円卓会談 研究法入門第二』実業之日本社 1954
  • 『地理学の社会化 続・地理学円卓会談』古今書院 1958
  • 『虚像のニッポン 外国教科書の日本理解』日本評論新社 1963
  • 『世界の国ぐに』偕成社 1964 目で見る児童百科
  • 『世界の地理 世界の自然と生活 小学生百科』偕成社 1968
  • 『日本における近代地理学の成立』竹内啓一大明堂 1984

共編著

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  • 『文化地理学講義草稿』編著 中興館 1938
  • 『資源経済地理 地図と統計』藤井英夫共著 成美堂書店 1943
  • 『新しい日本と世界 地理・経済・社会』全6巻(編)毎日新聞社、1948-1950
  • 『社会科人文地図帳』編 毎日新聞社 1951
  • 『世界地理大系』全7巻 渡辺光共編 河出書房 1951-1952
  • 『自然と人生』編 毎日新聞社 1952 毎日ライブラリー
  • 『世界の地理』全4巻 (編)毎日新聞社、1952-1953
  • 『現代地理講座』全7巻 多田文男共編 河出書房 1956-1957
  • 『旅窓全書 産業・史跡・観光』全3巻 和歌森太郎共編 修道社 1960-1961
  • 『少年少女学習百科全集 6 世界の国々』中野尊正共著 講談社 1963
  • 『地理学研究のための文献と解題』編著 古今書院 1969

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 追悼 故 石田龍次郎先生』経済地理学会、1979年。doi:10.20592/jaeg.25.2_140https://doi.org/10.20592/jaeg.25.2_1402022年10月31日閲覧 
  2. ^ 上田正昭ほか監修 著、三省堂編修所 編『コンサイス日本人名事典 第5版』三省堂、2009年、102頁。 
  3. ^ 岡田俊裕著 『日本地理学人物事典 [近代編 2]』 原書房 2013年 273ページ
  4. ^ 「日本製粉会長 沢田浩氏 戦争体験から昭和史に関心」2016/5/1付日本経済新聞
  5. ^ 一橋学園と私 : 経済学部から商学部へ移って一橋大学創立150年史準備室

参考文献

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  • 石田龍次郎「自撰年譜抄」『一橋論叢』第58巻第1号、日本評論社、1967年7月、148-157頁、CRID 1390009224863768576doi:10.15057/2735ISSN 0018-2818NAID 110007638044 
  • その他の関連文献については、
    岡田俊裕「近世以降日本の地理学者に関する参考文献 ―地理学人物事典の作成に向けて―」『高知大学教育学部研究報告』第69巻、高知大学教育学部、2009年3月、182-183頁、CRID 1050845763150321280hdl:10126/3074ISSN 1346-938X2024年6月17日閲覧 

関連項目

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先代
石川與吉
日本地理学会会長
1966年 - 1968年
次代
木内信蔵