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ルージュの伝言

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「ルージュの伝言」
荒井由実シングル
初出アルバム『COBALT HOUR
B面 何もきかないで
リリース
規格 7インチシングル盤
録音 1975年
日本の旗 日本
ジャンル ニューミュージック
時間
レーベル EXPRESS
作詞・作曲 荒井由実
プロデュース 村井邦彦
チャート最高順位
荒井由実 シングル 年表
12月の雨
(1974年)
ルージュの伝言
(1975年)
あの日にかえりたい
(1975年)
収録アルバムCOBALT HOUR
何もきかないで
(4)
ルージュの伝言
(5)
航海日誌
(6)
試聴
ルージュの伝言
Universal Music Group提供のYouTubeアートトラック
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ルージュの伝言』(ルージュのでんごん)は、荒井由実(現:松任谷由実)の5枚目のシングル。1975年2月20日東芝EMIからリリースされた。規格品番:ETP-20107。

1989年12月21日アルファレコードよりCDシングルとして再リリースされた[2]

解説

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同年6月20日に発売された3枚目のオリジナルアルバム『COBALT HOUR』のA面5曲目(CDでは5曲目)に収録されている。なお、1983年1月31日角川書店から発売された松任谷由実の自伝のタイトルも『ルージュの伝言』である。矢沢永吉の最初の妻との夫婦喧嘩をモデルに歌詞が書かれた[3]。楽曲がリリースされた前年1974年9月に、ユーミンと矢沢が当時在籍したキャロルサディスティック・ミカ・バンドオフコースBUZZの5組でツアーを回った際に、ユーミンと矢沢は意気投合したといわれる[3]

1989年に公開されたジブリ映画魔女の宅急便』のオープニングテーマソングに使用されており[4][5]、「アニメソング」「ジブリソング」としてカバーされることも多い[4]。また、同作のエンディングテーマは同じく松任谷の「やさしさに包まれたなら」である。

表題曲にはコーラスとして山下達郎吉田美奈子大貫妙子が参加している[6]。編曲を担当した松任谷正隆は、「ツアーバンドのメンバーたちに『たまにはレコーディングに参加させて欲しい』という要求が出され、OKしたものの、演奏のクオリティはいつもと比べると劣ってたので、手ごたえがなかったものになった。その後、ストリングスを加えるといったこともしたが、感覚としては60点という出来で、このままレコードにはできないと思った。その後、山下(達郎)は(吉田)美奈子とター坊(大貫さん)と伊集加代子さんを集めてコーラスをつくってくれた。あれで抜群のアメリカン・ポップになりました。だから、『ルージュの伝言』に関しては、山下の力がすごく大きい。結果的に由実さんのポップ・シンガー路線を開拓してくれた」と、山下への賛辞を述べている[6][7]

1992年9月21日発売の「YUMING COLLECTION」(規格品番:ALCA-375〜377)にオリジナル・カラオケが収録、発売されたが、元来ドラムスフェイド・インで始まるのに対し発売されたオリジナル・カラオケではイントロが編集でカットされ、2小節分のみが収録されている[8]

「何もきかないで」は、ヘ長調のミドルロッカバラード[9]44拍子で記譜すると三連符を多用せねばならないため、128拍子で記譜されることもある。

オリコンチャートの登場週数は16週、チャート最高順位は週間45位、累計6.9万枚のセールスを記録した[1]

2010年にはサントリーウーロン茶プレミアムクリアのCMソングに使用された[10]

2013年にはサントリーオールフリーのCMソングに使用された[11]

2019年にはロッテガーナチョコレート「今日も赤チョコよろしくね篇」のCMソングに使用された[12]

2020年には福助『満足』のCMソングに使用された[13]

2022年には映画『すずめの戸締まり』(新海誠監督)の挿入歌に使用された。

収録曲

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  • Side A : ルージュの伝言 -Lipstick Message-[14]
  • Side B : 何もきかないで -Don't Ask Me Anything-
  • 作詞・作曲:荒井由実 編曲:松任谷正隆

参加ミュージシャン

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カバー

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ルージュの伝言
何もきかないで
  • 1975年 - 岡崎友紀(アルバム『私の好きな歌』収録)
  • 1991年 - ベベウ・ジルベルト(アルバム『DE TARDE, VENDO O MAR』収録)

テレビドラマ

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1991年4月3日から9月25日TBSで深夜に放送されたドラマ『ルージュの伝言』は、松任谷由実の楽曲26曲について、それぞれ曲のイメージから脚本を書き、ドラマ化したものである[15]。半分ほどを森一弘が演出。23分程度の一話完結。

サブタイトル

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(I)(II)は収録VHSビデオソフトの巻

「ユーミン・ドラマブックス」

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放送終了翌月の1991年10月11日、単発ドラマ「ユーミン・ドラマブックス」が、同じTBS系列の「秋のドラマスペシャル」として放送された[17]。3話のオムニバスで1話30分ほど。プロデューサーや演出家・脚本家は「ルージュの伝言」に携わっていた者が多い。

脚注・出典

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  1. ^ a b 『オリコン・シングル・チャートブック(完全版):1968 - 2010』オリコン・エンタテインメント、2012年2月、731頁。ISBN 978-4-87131-088-8 
  2. ^ ルージュの伝言”. ORICON NEWS. 2023年4月1日閲覧。
  3. ^ a b 細田昌志「第五章 矢沢永吉の場合 『ルージュの伝言』は矢沢がモデル」『ミュージシャンはなぜ糟糠の妻を捨てるのか?』イースト・プレスイースト新書〉、2017年、180–187頁。ISBN 9784781650920 
  4. ^ a b “柴咲コウ、ユーミン名曲「ルージュの伝言」をカバー”. 映画.com. (2010年10月7日). https://eiga.com/news/20101007/1/ 2017年12月31日閲覧。 
  5. ^ “松任谷由実、ジブリ新作の主題歌オファー!? 喜びを爆発!”. シネマトゥデイ. (2012年12月9日). https://www.cinematoday.jp/news/N0048423 2017年12月31日閲覧。 
  6. ^ a b c “山下達郎はなぜ「ルージュの伝言」でコーラスをつとめたのか”. デイリー新潮 (SHINCHOSHA). (2016年11月15日). https://www.dailyshincho.jp/article/2016/11150710/ 2017年12月31日閲覧。 
  7. ^ 『僕の音楽キャリア全部話します』松任谷正隆、新潮社、2016年10月31日、ISBN-10: 4103504811、ISBN-13: 978-4103504818、71-72頁。
  8. ^ 1992年9月21日発売「YUMING COLLECTION規格品番:ALCA-375〜377(ASIN:B000UV2JT4/EAN:4988024011041)収録。
  9. ^ “松任谷由実/東京国際フォーラム ホールA”. ロッキンオンジャパン. (2017年9月22日). https://rockinon.com/live/detail/167427 2017年12月31日閲覧。 
  10. ^ サントリー「サントリーウーロン茶プレミアムクリア」のテレビCMソングに「ルージュの伝言」が決定!”. Yumi Matsutoya Official Site 松任谷由実 オフィシャルサイト (2010年7月13日). 2021年2月3日閲覧。
  11. ^ サントリー「ALL- FREE」TV CM曲に『ルージュの伝言』”. Yumi Matsutoya Official Site 松任谷由実 オフィシャルサイト (2013年4月27日). 2021年2月3日閲覧。
  12. ^ 「今日も赤チョコよろしくね篇」(30秒)|CM情報 「今日も赤チョコよろしくね篇」(15秒)|CM情報、ロッテ - 2019年5月10日閲覧。
  13. ^ 2020年春夏『満足』が大型リニューアル”. 福助株式会社 (2019年10月30日). 2021年2月3日閲覧。
  14. ^ 配信を機に本人監修のもと全曲英語表記が公式に発表された。https://music.apple.com/us/album/lipstick-message-rouge-no-dengon-single/1436009774
  15. ^ 『ルージュの伝言』テレビドラマデータベース
  16. ^ 児童文学作家吉田桃子とは別人。「吉田桃子」(テレビドラマデータベース)
  17. ^ 『ユーミン・ドラマブックス』(テレビドラマデータベース)

外部リンク

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