星 (クルアーン)
クルアーンの第53章
『星』とは、クルアーンにおける第53番目の章(スーラ)。62の節(アーヤ)から成る[1]。マッカ啓示に分類される。
星 | |
啓示 | マッカ啓示 |
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章題の意味 | 第1節に「沈みゆく星にかけて誓う」の語がある[1] |
詳細 | |
スーラ | 第53章 |
アーヤ | 全62節 |
ジュズウ | 27番 |
ルクー | 3回 |
サジダ節 | 1回(第62節) |
語数 | 360語 |
文字数 | 1433文字 |
前スーラ | 山 |
次スーラ | 月 |
سورة النجم |
内容
編集冒頭の「沈みゆく星にかけて(誓う)」から、この題名が採られている[1]。
啓示の正しさ、アッラーフの万有などについて述べられる。
ガラーニークの逸話
編集19節から20節にかけ「あなたがたは、アッラートとウッザーを(何であると)考えるか。それから第三番目のマナートを」とイスラーム以前の多神教の神々について言及される。『悪魔による啓示』としても知られる『ガラーニークの逸話』では、シャイターン(悪魔)のまやかしによりこれに続けて「それらは偉大な白鳥(グルヌーク[3])のようだ。彼女たちの執り成しが期待される」の文言があったとされる。伝承では、これを聞いた多神教を信じる人々は喜んだが、その夜ジブリールがムハンマドの元に現れ、それは神による啓示ではないと伝えた。これを聞いたムハンマドは悲しみ、その部分を取り除いたとされる[4][5]。アンカラ大学のイブラーヒム・サルチャムは、タバリーやイブン・サアドなどの歴史家が残したとされるこの伝承と『悪魔の詩』を取り上げ、伝承がイスラーム批判に用いられる場合があると述べた[6]。
脚注・出典
編集- ^ a b c d 日本ムスリム情報事務所 聖クルアーン日本語訳
- ^ “Sahih al-Bukhari 1070 - Prostration During Recital of Qur'an - كتاب سجود القرآن - Sunnah.com - Sayings and Teachings of Prophet Muhammad (صلى الله عليه و سلم)”. sunnah.com. 2022年8月13日閲覧。
- ^ (ġarānīq)、ツルとも。
- ^ イブラーヒム (2011),pp.109-110
- ^ 守川 (2017),p.294
- ^ イブラーヒム (2011),pp.110-111
参考文献
編集- 『聖ムハンマド その普遍的教え Vol.1』東京・トルコ・ディヤーナト・ジャーミイ、2011年、109-111頁。ISBN 9784990587604。
- 守川知子、ペルシア語百科全書研究会「<原典翻訳>ムハンマド・ブン・マフムード・トゥースィー著『被造物の驚異と万物の珍奇』(10)」『イスラーム世界研究』第10巻、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科附属イスラーム地域研究センター、2017年3月20日、275-302頁、doi:10.14989/225215。