2025.01.15
# 哲学

「多忙な人間はダメである」…ローマの哲人・セネカがそう語った「納得の理由」

 

先行きが見えない不透明な時代、「どのように生きればいいのか」と悩んでいる人は多いかもしれません。そんなときは、これまで長いあいだ多くの人に読み継がれてきた古典の言葉に耳をかたむけてみると、充実した人生を送るためのヒントを得られることがあります。

たとえば、イエス・キリストと同じ時代を生き、ローマの皇帝・ネロの家庭教師としても知られ、さまざまな「生き方」にかんする著作を残した哲人・セネカの言葉は、私たちの人生に反省を促してくれます。

セネカの思想について、わかりやすく解説してくれるのが、『ローマの哲人 セネカの言葉』です。國學院大学教授などをつとめた、ドイツ文学の研究者で作家の中野孝次氏(1925〜2004年)が、セネカの言葉を噛み砕き、生活実践のためのヒントを与えてくれています。

本書ではたとえば、『人生の短さについて』を取り上げ、セネカの魅力を以下のように解説しています。『ローマの哲人 セネカの言葉』より引用します(読みやすさのため、改行などを編集しています)。なお、冒頭に出てくるパウリヌスは、『人生の短さについて』でセネカが語りかけている相手です。

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ローマ時代はとくに美食、大食で有名な時代だから、金にあかして来る日も来る日も贅沢な大宴会を催し、食うこと飲むことセックスすることに耽って、いかに生くべきかということなぞぜんぜん考えないような人間どもが、大勢いたようだ。

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