毎年インフルエンザに罹る人は見直して!「感染症」に罹りやすい人のNG朝ごはんを管理栄養士が解説
感染症が流行する季節、体調を崩しやすいと感じることはありませんか?感染症対策には、睡眠や運動、手洗いなどの基本的な習慣が欠かせません。その中で、朝食を見直すことは、体調を整え、免疫機能をサポートする一環になります。今回は、感染症が気になる季節に注意したい朝食のポイントを、管理栄養士が紹介します。
「免疫機能を低下させない」が大切!
感染症が流行する季節、「免疫力を高めたい」と考える方も多いのではないでしょうか?免疫とは、体内に侵入した病原体を防御し、排除する仕組みのことを指します。「免疫力」という言葉は、「ウイルスや病原菌から体を守る力」というような意味で広く使われています。
しかし、「これを食べれば免疫力がアップする」という食べ物や栄養素は、現時点では確認されていません。重要なのは、日々の食事や生活習慣で「体に備わった免疫機能を低下させない」ことです。
特に朝食は、1日のエネルギーを補給し、体調を整えるために欠かせません。偏った朝食や、朝食を抜く習慣が続くと、免疫機能が正しく働かなくなるリスクもあります。
感染症にかかりやすくなる朝食とは?
栄養バランスに偏りがあるメニュー
例えば、菓子パンやジュースだけといった糖質に偏った朝食だと、食後の血糖値が急激に上昇・下降します。この影響で、白血球や免疫に関わる細胞の機能が一時的に低下する可能性があります。
また、たんぱく質不足にも注意が必要です。たんぱく質は、体の免疫細胞の材料となる大切な栄養素で、不足すると病原体に対抗する力が弱まるおそれもあります。
さらに特定の栄養素ばかりを摂取すると、ほかの栄養素が不足して、体調不良を引き起こすリスクも。例えば、ビタミンやミネラルが不足すると、免疫機能の働きが十分に発揮されなくなることがあります。
何も食べない(朝食を抜く)
朝食を抜くと、体温が上がりにくくなるため、免疫細胞の働きが低下する可能性があります。さらに、朝食を抜く習慣が続くと、腸内環境が乱れるおそれも。腸内細菌のバランスが崩れることは、免疫機能にも影響を及ぼします。
朝食で意識すべきポイントとは?
1. 主食・主菜・副菜を揃える
朝食では、主食(ご飯やパン)、主菜(卵や魚、肉など)、副菜(野菜や海藻類)を意識して取り入れましょう。例えば、ご飯+焼き魚+味噌汁や、パン+目玉焼き+スープなどがおすすめです。
とはいえ、朝は忙しい時間帯ですので、何かが不足していても、昼食や夕食で補えば十分です。無理なく続けられる範囲で実践しましょう。
2. 腸内環境を整える食材を取り入れる
腸は、免疫細胞が多く存在する重要な器官です。腸内環境を整えることで、病原体に対する抵抗力を維持し、体調を整える助けになります。朝食には、発酵食品や食物繊維を含む食材をプラスするのがおすすめです。
例えば、納豆ご飯やヨーグルトを取り入れたり、野菜スープやフルーツを加えたりするだけでも効果的です。食材を少し工夫することで、腸内細菌のバランスを整えやすくなります。
まとめ
感染症に負けない体づくりには、睡眠や運動、手洗いなどの積み重ねが重要です。朝食はその一部として体調を整える役割を果たします。日々の生活習慣を整えながら、朝食を工夫することで、感染症に負けない体づくりを目指しましょう!
【参考文献】
・公益財団法人長寿科学振興財団,健康長寿ネット 免疫系の老化
AUTHOR
藤倉詩織
管理栄養士。【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。メタボリックシンドロームや生活習慣病の方への栄養指導・特定保健指導を経験し、現在はフリーランスの管理栄養士・ライターとして活動中。
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