LIFE INSIDERより転載
日本発のコーヒー器具メーカー「ORIGAMI」のプロダクトは、アマチュアからプロまで、世界中のコーヒー愛好家に支持されている。
美濃焼の伝統を活かしたカップや抽出器具など幅広いアイテムを展開しているが、その中でも特に人気が高いのがドリッパーだ。
そんな「ORIGAMI Dripper」から、環境に配慮したモデルが登場した。
コーヒーと環境問題
コーヒー業界が直面する深刻な課題として、「コーヒー2050年問題」というものがある。
これは、国際調査機関のワールド・コーヒー・リサーチが発表したもので、気候変動の影響で2050年にはアラビカ種のコーヒー栽培適地が現在の50%にまで減少する可能性があるという問題を指している。
ORIGAMIの製品は、美濃焼で知られる岐阜県東濃地方・土岐市で製造されている。
しかし、コーヒー豆の問題と同様に、美濃焼の原料となる鉱山資源でも枯渇が進んでいるという。そうした問題に対してORIGAMIが始めたのが、「ReWork」プロジェクトだ。
「捨てない」選択から生まれたドリッパー
ORIGAMI「ReWork ORIGAMI Dripper S」2,970円(税込)
「ReWork ORIGAMI Dripper」は、「ReWork」プロジェクトの第一弾として発売されたアイテム。
サイズ展開は1〜2杯用のSと、2〜4杯用のM、2サイズとなっている。
ReWork ORIGAMI Dripperの特徴は、自社から出る廃棄品を微粉砕し、20%以上混ぜた土を使用していることにある。
焼成時にできる気泡や微細な鉄粉などが原因で、B品としてやむを得ず廃棄していた製品をリサイクル。
限られた資源を有効活用した「自社完結型サイクル」にすることで、廃棄品の収集までにかかる労力やコストもカットできているという。
これまでと変わらない使いやすさ
製造プロセスは変わったが、使いやすさはそのまま。
ORIGAMI Dripperならではの20本のリブ(溝)がドリッパーとペーパーの間に適度な空間を作ることでお湯抜けがスムーズになり、幅広いフレーバーをしっかりと抽出できている。
個人的に感じているORIGAMI Dripperの魅力は、円すい型とウェーブ型、2種類のペーパーフィルターを使用できること。
コーヒーのフレーバーを明確に表現したいときには円すい型、バランス良く抽出したいときにはウェーブ型と、ペーパーフィルターを変えることで、さまざまなコーヒー豆をベストな状態で楽しめている。
AS樹脂製の「Dripper Air」シリーズと比べると、価格や重さ、割れてしまう可能性など、気軽に使いづらいポイントも多少あるが、長く愛用するにはやはり磁器製というのはありがたい。
コーヒーに関わる1人として、大切に使っていきたいと思う。
お湯を1回注ぐだけで美味しいコーヒーが完成。Amazonで見つけたドリッパーが想像以上に優秀でした
同じコーヒー豆でもこんなに味が変わるとは! あのメーカーの「変わったドリッパー」が楽しすぎた