SUUMO(スーモ)は、住宅・不動産購入をサポートする情報サイトです。
一人暮らしをしたことがないと、どれくらいの部屋の広さなら十分なのか、見当がつかないものです。「一人暮らしに適した部屋の広さをm2数や畳数で知りたい」「初めての一人暮らしでも後悔しない部屋の広さや間取り、レイアウトを選びたい」という声もあるでしょう。
本記事では、2人の専門家にお話を伺い、一人暮らしの部屋の広さや間取り、レイアウトについて解説します。賃貸管理会社ハウスメイトマネジメントの伊部尚子さんからは一人暮らしに合った部屋の広さや間取りについて、空間デザイナーの小笠原馨子さんからは一人暮らしが快適になるレイアウトについて教えていただきました。
一人暮らしで人気のある物件は、どれくらいの広さなのでしょうか。まずは、一人暮らしで人気のある部屋の広さを分かりやすく解説します。
初めての部屋探しで迷わないためにも、詳しく見ていきましょう。
国土交通省が定める住生活基本計画によると、単身の最低居住面積水準は25m2とされています。また、誘導居住面積水準(豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要とされる住宅面積水準)、つまりゆとりある居住面積でいうと、都市部やその周辺の共同住宅で40
m2、郊外や都市部以外の一戸建て住宅で55m2とされています。
※国土交通省「住生活基本計画における水準について」
専有面積25m2といっても、どれくらいの広さか想像がつきにくい人もいるかもしれません。「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」で定められている「1畳=1.62m2」というルールに基づいて計算すると、25m2は約15.4畳。
15畳というと広く感じますが、専有面積には玄関や水回り、収納スペースも含まれるので、居住空間としては8~10畳くらいといえます。
ちなみに20m2だと約12畳で、居住空間は6~7畳。18m2だと約11畳で、居住空間は5~6畳程度です。
実際に、一人暮らしの人はどれくらいの広さを必要としているのでしょうか。
賃貸管理会社ハウスメイトマネジメントの伊部尚子さんによると、一人暮らしの人が希望する広さは25m2が多いといいます。「コロナ禍後の部屋探しでは、広さを重視する人が増えている印象です。家にいる時間が長かったコロナ禍を経て、『暮らし』や『家時間』に関心を持つことが増えたからでしょう。
また、毎日ではなくても、在宅で仕事をする人にとっても、ゆとりある広さは必要です。以前は寝に帰るだけだから狭くてもいいという声もありましたが、近年は立地が便利でも狭いところはイヤ、という人も多いですね」(伊部さん)
SUUMOに掲載されている東京23区の賃貸物件で、専有面積15m2以上30m2以下の住戸数を面積別に調べてみたところ、25m2以上30m2以下が最も多く、次いで20m2以上25m2未満、15m2以上20m2未満という結果に。大きな差はありませんでしたが、一人暮らし用の物件としては、25m2前後が一般的といえるでしょう。
※掲載期間:2025/01/01~2025/01/31 期間中に一度でも掲載のあった住戸が対象
※抽出条件:東京都23区、普通借家のみ、面積15m2以上30m2以下
そのうち、間取りの上位5位を調べてみたところ、1Kが6割以上、次いでワンルーム、1DKという順に。1Kとワンルームが約9割を占めています。
※掲載期間、抽出条件は上と同じ
※間取り数の多い順に上から5つを抜粋し、グラフを作成
一人暮らしをする部屋の間取りは、ワンルームや1Kが一般的です。しかし、中には1DKや2K、1LDKなど、広めの物件もあります。
ここからは、それぞれの間取りで一人暮らしをする場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。
ワンルームは「1R」とも表記され、一人暮らしの部屋ではよく見かけるコンパクトな間取りです。
キッチンが居室と同じ空間にあり、トイレや風呂以外に仕切りがないのが特徴です。部屋が1つだけなので、寝室やダイニング、書斎などを兼ねた居住スペースと玄関やキッチン、トイレや風呂などの全てがつながっている空間で暮らすことになります。
また、部屋の広さはキッチンを含めた範囲を表すことから、居住空間は表記よりも狭くなります。
ワンルームで一人暮らしをするメリットは、以下の通りです。
ワンルームは、同じような条件の他の間取りよりも家賃が低い傾向にあります。そのため、家賃を抑えたいと考える人には向いている間取りです。
また、部屋の広さがコンパクトな分、都心の駅近など好立地の物件が見つかりやすい傾向にあります。特に、忙しい社会人や学生にとっては、家賃の安さと立地の良さを同時に得られる点は、大きな魅力です。
さらに、生活空間が一つにまとまっているので、動線が短くシンプルに暮らせて、開放感も得られやすいのが特徴です。
伊部さんによると1Kとワンルームの条件の物件であれば、家賃は1Kよりもワンルームのほうが2000~3000円程度安いとのこと。「食料品をはじめ物価が高くなっている一方で、学生さんなら仕送りも減ってきていることもあり、安さを重視したいならワンルームがおすすめです」と伊部さん。
ワンルームで一人暮らしをするには、以下のようなデメリットがあります。
ワンルームは、居室空間にキッチンが含まれるため部屋が狭く感じることが挙げられます。
「冷蔵庫や電子レンジなども居住空間に置くことになるので、部屋が雑然としてしまうことも。キッチンの水はねや油はねも気になるかもしれませんね」と伊部さん。
さらに、玄関からの外気やキッチンからの熱で、冷暖房が効きにくい場合が多いのも、ワンルームの難点です。
1Kは、一人暮らしで人気のある間取りで、一般的に4.5畳未満のキッチンです。居室は1つで、キッチンとはドアで仕切られています。
キッチンはダイニングエリアを設けるほどの広さはありません。キッチン側の空間に風呂やトイレ、洗濯機置き場などの水回りがまとまっており、居室には窓やベランダがある間取りが多いでしょう。
伊部さんによると、人気があるのは1Kの物件。料理するスペースと寝るスペースを分けたいという人が多いようです。1Kの部屋で一人暮らしをするメリットは、以下の通りです。
1Kは、居住空間との間のドアがあるので、玄関を開けても部屋の中が丸見えになることはありません。また、キッチンで料理しても、ドアを閉めておけば居住空間まで匂いや煙、油はねが影響しにくく、安心して料理が楽しめるでしょう。
さらに、居室空間の冷暖房設備は、壁やドアで仕切られているため快適な環境を保ちやすいことが特徴です。
1Kで一人暮らしをするデメリットは、以下が挙げられます。
1Kは、似たような間取りであるワンルームと比べると、部屋を仕切るドアがついていることや人気が高いことから、家賃が高めに設定されている場合が多いでしょう。
また、キッチンと居室の間にドアがあることで、ワンルームと違って開放感は少なくなります。仕切られた空間を狭いと感じたり、人によってはドアの開け閉めや掃除が面倒になったりすることがあるかもしれません。
そして、キッチンが狭い場合は、冷蔵庫や電子レンジなどを居室に置かなければならず、限られたスペースを使うのが難しくなります。
空調設備は、居室のみなら効きやすいですが、キッチンまでは届きにくいため、デメリットの1つになるでしょう。
ワンルーム | 1K | |
---|---|---|
特徴 | 玄関・キッチンと居住空間の間に仕切りがなく、一体になっている。 | 玄関・キッチンと居住空間がドアで仕切られている。 |
メリット | 同じ専有面積なら居住空間が広く使える。 家賃が安め。 |
料理する場所と居住空間・寝るスペースが分けられる。 トイレやお風呂の音が気になりにくい。 冷暖房効率がいい。 |
デメリット | 料理の匂いが部屋全体にこもりやすい。 玄関から居住空間が見えてしまう。 部屋が雑然としがち。 |
居住空間が広く取れない。 家賃が高め。 |
こんな人におすすめ | 部屋を広く使いたい人。 きれい好き、キッチンをいつも清潔に保てる人。 少しでも節約したい人。 |
よく自炊する人。 来客が多い人。 |
どんな暮らしをしたいのか、妥協できるのはどこなのか。まずは自分の優先順位を考えてみましょう。
1DKは、4.5畳以上8畳未満のキッチンと居室が1つある間取りです。特徴は、キッチンのある空間が、1Kよりも広くて1LDKよりも狭いサイズ感である点です。
一人暮らしの物件では、キッチンに最低限の設備しかない場合も少なくありません。しかし、1DKのキッチンにはコンロが2口以上あったり、冷蔵庫や食器棚、ダイニングテーブルが置けたりします。
また、ダイニングキッチンのスペースと、寝室を含めた居住スペースが分かれています。
1DKのメリットは、以下の通りです。
1DKの特徴は、料理や食事をするダイニングキッチンと、リラックスや睡眠を取る居住空間に分けられることです。そのため、生活にメリハリをつけやすく、豊かな暮らしが実現しやすいでしょう。
特に、ワンルームや1Kのキッチンとは異なり、充実した広さと設備の整った1DKのキッチンなら、料理や食事をより楽しめます。
また、来客の際にも居室のドアを閉めてダイニングキッチンで対応すれば、寝室を他人に見られることがないので安心です。
1DKには、以下のようなデメリットがあります。
一人暮らしをしている人の9割がワンルームや1Kなどのコンパクトな間取りの物件に住んでいることから、一人暮らしの家賃相場と比較すると1DKの物件は家賃が高くなります。
また、集合住宅の流行も移り変わりがあり、1DKは30年以上前に多く建てられていたため、他の間取りの物件よりも築年数が古い傾向にあります。
中には、リフォームされていて住みやすい物件もありますが、新築や築浅で1DKの物件を探すのは難しいこともあるでしょう。
2Kは、キッチンの広さが4.5畳未満で、居室が2つある間取りです。
コンパクトなキッチンの他に2部屋あるので、1部屋をリビングダイニングとして使用すれば、1LDKのように生活できます。また、2Kのキッチンが比較的広い場合は、小さなダイニングエリアを設けて2DKのようにすることもできるでしょう。
しかし、2Kの間取りは大きく分けて2パターンあります。キッチンと2部屋が直線上に並んでいる場合は、手前の部屋を通らなければ奥の部屋に行けません。一方、キッチンから両方の部屋にアクセスできれば、生活動線を確保できます。
2Kで一人暮らしをするメリットは、以下の通りです。
2Kは、一人暮らしだけでなく少人数の家族で暮らすケースも多いため、他の一人暮らし向けの物件よりも広く感じられます。2部屋あることで、生活スタイルのバリエーションが多く、寝室とリビングを分けたり、書斎や趣味部屋を設けたりもできます。
また、2部屋ある間取りとしてよく見かける2DKや2LDKと比べると家賃が安く設定されている点もメリットです。
2Kで一人暮らしをするデメリットは、以下が挙げられます。
2Kの間取りの部屋は築年数が古いことが多く、設備が古くて使いにくかったり、エアコンが各部屋になかったりする物件もあります。
また、現代ではキッチンのある空間を広く取ったリビングダイニングキッチンが主流なので、間取りが2Kの物件数は多くありません。
そして、2Kで一人暮らしをする場合は、各部屋の使い方を明確にしていないと空間を持て余してしまう場合もあります。
1LDKは、キッチンのある空間(リビングダイニングキッチン)が8畳以上で、さらに居室が1つある間取りです。
1Kや1DKよりもキッチンのある空間が広いので、リビングダイニングキッチンを確立できます。LDKは複数人で使用できる食卓やソファを配置するスペースが十分にあり、ゆったりと過ごせるでしょう。
居室は寝室や書斎、趣味部屋などとして使用できるため、2人で暮らす人も多い間取りです。また、広さがある分、配置する家具・家電やレイアウトにこだわることもできるでしょう。
1LDKで一人暮らしをする場合、メリットは以下の通りです。
1LDKは一人暮らしをする物件としては全体的にゆとりがあるため、上質な生活ができるのが特徴です。
まず、寝室が仕切られているため、睡眠の質も高まり、生活にメリハリをつけやすいでしょう。また、来客時はLDKで対応でき、ダイニングでゆっくりと食事をして、リビングでのんびりくつろげます。
さらに、物件によっては大きめのインテリアを設置するスペースもあります。冷蔵庫やテーブル、ソファなど、ファミリー向けのアイテムをレイアウトすれば、豊かな暮らしになるでしょう。
1LDKで一人暮らしをする場合、以下のようなデメリットがあります。
1LDKは快適な生活をしやすい分、金銭面や掃除の面で余裕がある人に適しています。そのため、一人暮らしをする人にはデメリットにもなる場合も少なくありません。
また、広さがある分、掃除するスペースも増えるので、時間と手間がかかります。
一人暮らしの間取りとして主流のワンルームや1Kと比較すると、1LDKは家賃が高く、広さに見合ったエアコンや照明などの家電の台数が多くなるため、電気代も高くなることもあるでしょう。
一人暮らしに人気がある部屋の広さはさまざまで、レイアウトも複数考えられます。
ここからは、空間デザイナーの小笠原馨子さんに教えてもらった、一人暮らしの部屋の家具レイアウト例を紹介します。
一人暮らしのコンパクトな居住空間、どんなところに気をつけてレイアウトするといいのでしょうか。
「どの広さでも共通していえるのは、自分のライフスタイルを考えてみること。例えば、くつろぐスタイルは『椅子座』なのか『床座』なのか。椅子座なら椅子かソファを置くスペースが必要ですが、部屋はすっきりします。床座はテーブルとラグがあればOKなので、フレキシブルにレイアウトが考えられます。ただし、暮らすうちにものが散乱しやすい傾向にあります。
それから、テレビが必要かどうか。最近はテレビがなくてもスマホやタブレット、PCがあればいいとか、プロジェクターを導入して映像を見る、なんていう人も増えていますよね」と小笠原さん。
上記をふまえて、まずは自分の暮らしに絶対に必要なものからレイアウトを考えていきましょう。
まず、18m2ワンルームと1Kの部屋を見ていきましょう。上述したように、18m2(約11畳)の居住空間は5~6畳とかなりコンパクト。どちらもテレビを置く想定でレイアウトしてもらいました。
同じ18m2でもワンルームのほうが居住空間が少し広いので、テーブルのほか、デスクを置くこともできます。1Kはベッドを窓際に置くことで、居住空間をゆったり取ることができ、一人がけのソファも配置可能です。
収納スペースが足りない場合は、ワンルームのベッドフット側に置いたようなコートハンガーを活用してみましょう。デスク上には、壁に付けられるウォールシェルフを。ピン穴が小さく、壁を傷つけずに賃貸でも取り付けられるシェルフなら、壁面を有効活用できます。また壁掛けミラーを設置することで、空間が広く見える効果も。
1Kで採用した縦型収納は、突っ張り棒を活用したシェルフシステムです。部屋を圧迫することなく、ものがすっきり片づきます。
20m2の居住空間は6~7畳です。ワンルーム・1Kともに、シングルベッドとリビングテーブル、テレビボードを縦にレイアウト。プラス、ワンルームのほうは収納家具を、1KのほうにはPC作業ができる小さなテーブルセットを配置しています。
18m2と同様、壁に付けられる収納家具を多用すれば、ごちゃつきがちな小物などがすっきりまとまります。
25m2では、ワンルーム・1Kともに、独立洗面台のある間取りが増えてきます。
居住空間も8~10畳取れるため、シングルベッドとリビングテーブルのほかに、二人がけのソファを置けるゆとりも。収納家具も、ワンルームのテレビ下チェストのようにゆったりしたものが置けたり、1Kのようにリモートワークができるデスクも配置できます。
一人暮らしの物件を選ぶ際は、部屋の広さだけでなく、さまざまな条件も確認しておきたいもの。初めての一人暮らしでも快適で楽しく暮らせるように、チェックしておきましょう。
「家具のレイアウトを考えるときは動線を意識することが大事なのですが、正方形の部屋は動線上に家具を置かなくてはならず、実は使いづらい。よくある長方形の部屋の方がくつろげる部屋づくりができます。逆に、斜めの壁があったり、室内の形がでこぼこしているような変形タイプも、うまく家具が収まればしっくりくることがあります」(小笠原さん)
手持ちの洋服や靴などが収まる収納スペースがないと、収納家具を追加で置かなくてはならず、その分居住空間が狭くなってしまいます。「洗面台や洗濯機まわりで使いたい生活用品は意外と多いもの。水回りにどれくらい収納スペースがあるかも確認してください」(伊部さん)
収納スペースにしたり、寝室にしたりすることができるロフト。居住空間を有効に使える間取りです。「ただし、熱気は上にたまる性質があるため、夏はロフト部分がかなり暑くなります。ロフトに通風のための小窓があるか、またコンセントがあるかをチェックしましょう。小窓がない場合は、サーキュレーターを活用して、エアコンの冷気が届くように工夫するといいでしょう。寝ている間にスマホを充電するときにもコンセントは必要です」(伊部さん)
新築や築浅物件ではあまり見かけない3点ユニットバスですが、水回りがまとまっている分、同じ専有面積なら居住空間を広く使えるというメリットも。「美容にこだわりたい人には独立洗面台が人気ですが、居室の広さを優先したいなら3点ユニットバスも有効です」(伊部さん)
<こちらの記事もチェック>
バストイレ別、トイレ付き2点ユニットバスと3点ユニットバスの違いは?おすすめの使い方や掃除法を伝授!
オンラインで内見できるケースも増えていますが、契約する前には必ず現地で内覧してほしい、と伊部さん。「どういう生活ができるか、動線はどうか、現地を見て想定することが大切です。手持ちの家具のサイズも測っておき、置きたい場所に収まるかどうかもしっかりチェックしてください。数cmの差で考えていた場所に置けなかった、ということのないように。また、クロゼットやシューズボックスなどの収納スペースも、開けたら柱があってあまりものが入らなかった、というケースも。高さも確認しておきましょう」
小笠原さんも、「面積は同じでも、天井が低いと狭く感じます。また部屋に入って正面にエアコンがあると、圧迫感を感じることも」。間取図だけではわからないことも意外と多いので、現地での確認はお忘れなく。
一人暮らしのために借りる部屋を、狭いと感じることもあるかもしれません。しかし、工夫次第で部屋を広く見せることも可能です。最後に、一人暮らしの空間を効率よく使うためのヒントを、小笠原さんに聞きました。
賃貸物件の壁の多くは石膏ボードが使われています。ピン穴が小さく、石膏ボードに簡単に取り付けられる壁面収納を活用すれば、効率よく「見せる収納」がかなえられます。ボックス型やトレー型、洋服が掛けられるフックなど、タイプもさまざま。また、突っ張り棒を活用した縦型のラックなら、より省スペースで収納できます。
下に引き出しが付いたベッドなどは、収納も兼ねられて便利です。ただし引き出すのにスペースが必要なため、日常使いのものではなく、季節外の洋服など普段あまり使わないものを収納するといいでしょう。
椅子の下にものが入れられる収納スツールもありますが、脚付きのタイプのほうがオススメ。「下置きのボックスタイプよりも、脚付きで床から浮いて見えるほうが、軽快感があって部屋がすっきりして見えます」(小笠原さん)
また、家具のテイストはミックススタイルでOK。例えば全部木でそろえると、密度が高くなり重く感じるし、スチールでそろえると冷たく感じてしまいがち。北欧やナチュラルモダンなど、自分が好きなスタイルを参考にしつつ、部屋を広く見せるためには、軽快に見える材質の家具を選びましょう。
インテリアのテイストをそろえるためには、カラーは3色以内を心がけて。
色のバランスで気をつけたいのは、いちばん面積が大きいベースカラーを補うように、次に面積が大きいアソートカラーを2~3割入れ、アートやクッションなどインテリア小物でアクセントカラーを0.5~2割足すこと。ベースカラーとなる壁色や床色は賃貸では変えられませんが、カーテンやラグ、ベッドカバーをアソートカラーと考えて、これらを同系色でそろえると統一感が出ます。そこに、一人がけソファやクッション、アートの色でアクセントを足して部屋に個性を。「例えばアソートカラーがブラウン系やグリーン系なら、小物はオレンジ系やブルー系にするなど、反対色を置くのも素敵です」
背の高い観葉植物やフロアスタンドなどは、部屋の手前ではなく、部屋に入った対角線上に置くと、目線が通って広く感じます。また目線の高さにアートを飾るのも、部屋の印象アップに効果的です。
せっかくの一人暮らし、まずはライフスタイルに合わせて間取りを選ぶことが大切です。そして壁面収納を活用したり、収納を兼ねた家具を選んだり工夫しながら、自分らしくくつろげる暮らしをぜひ実現させましょう。
一人暮らしで人気のある部屋の広さは、25m2で15畳程度
一人暮らしの間取りは、ワンルームと1Kが約9割
一人暮らしに適している間取りは、ワンルーム・1K・1DK・2K・1LDKの5つ
一人暮らしをする部屋の広さごとにレイアウトのコツが異なる
一人暮らしの部屋の広さを大きく見せるポイントは、壁面収納やカラーコーディネート