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全日本選抜競輪「選考漏れ」の新田祐大が出走。“実質的な裏開催”「小松島ミッドG3」が見逃せないワケ

 2025年G1戦線の幕開けを飾る「全日本選抜競輪(G1)」では、郡司浩平(神奈川・99期)と古性優作(大阪・100期)が、それぞれ3度目の大会制覇を目指して激突する。また、今回の選考では、一部の有力選手が選考から漏れる事態となった。  このG1戦の直前に開催される「ミッドナイトG3」は、“実質的な裏開催”ともいえる。選考漏れとなった大物選手が火花を散らす深夜のバトルにも注目が集まる。
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写真はイメージ 
提供/公益財団法人JKA(以下同)

全日本選抜競輪G1の概要

 2025年最初のG1戦が、2月21日から24日まで豊橋競輪場で開催される。各地区・各都道府県の代表として選抜されたトップレーサーが集結し、シーズン序盤の勢力図を決定づける「第40回読売新聞社杯 全日本選抜競輪」だ。  競輪のG1レースはS級の上位選手が争う大会で、年間6大会が開催される。それぞれの大会に独自の歴史と格式がある。年間G1戦線の幕開けとなるのが全日本選抜で、優勝者は年末のKEIRINグランプリ(GP)への出場権を最初に獲得することになる。

3度目の大会制覇を狙う郡司浩平と古性優作

 昨年の全日本選抜を制した郡司浩平は、S級S班陥落からわずか1か月半でグランプリ切符を手中に収めた。決勝の直線では、北井佑季(神奈川・119期)の外から鋭く追い込み、大接戦をハンドル投げで制した。多くの競輪ファンにとって、あの激闘の記憶は今も鮮明だろう。  2025年2月17日現在、郡司の競走得点は出場予定選手の中でトップの眞杉匠(栃木・113期)に次ぐ。南関東の不動のエースとして、3度目の大会制覇を目指す。  しかし、今節は盟友であるS級S班の北井佑季が欠場しており、郡司にとっては逆風となるだろう。強力なライバルたちが待ち受けているなか、どのような戦いを繰り広げるのだろうか。  2022年と2023年の全日本選抜を制し、昨年末はGPを制して頂点に立った古性優作も、同じく3度目の優勝を狙う。脇本雄太(福井・94期)とともに、近畿勢の強力な布陣の中心に立つ、まさに輪界の王者だ。  果たして郡司は連覇を果たせるのか。それとも、新たな王者が誕生するのか。

選考漏れとなった大物選手も

 全日本選抜の選考は、前年(2024年)6月から11月までの成績を基に行われる。競走得点や獲得賞金の実績に加え、各地区のトップ選手、過去の同大会優勝経験者、さらには国際大会の日本代表選手など、複数の要素を総合的に判断する。これらの基準に基づき、正選手108名と補欠8名の計116名が選出された。  優勝者には年末のGPへの出場権が与えられるため、選手にとって重要な大会だ。GP出場者9名は翌年、最上位クラスであるS級S班にランクされ、優勝賞金も破格のG1・G2レースへの優先的に出場できることなどの特典を得る。  今回の選考では、一部の大物選手が選考から漏れる事態となった。その中でも注目されるのが、みなぎるパワーと獰猛な走りから、ファンの間で“ホワイトタイガー”と呼ばれる新田祐大(福島・90期)だ。  新田祐大は、2018年に全日本選抜を制している。2022年には競輪界で史上4人目となるグランドスラム(6つのG1レースすべてを制覇)を達成。2024年のグレードレースでは、1月にいわき平競輪場で開催された「いわき金杯争奪戦(G3)」で地元記念初優勝を果たし、8月には松山競輪場で行われた「道後温泉杯争覇戦(G3)」で完全優勝を達成している。  その実力から、本来であれば全日本選抜への出場が期待される選手だが、選考期間中の失格数も選考に大きく影響したようだ。  選考基準では、選考期間中の失格回数が3回以上となった場合、選考除外となると定められている。新田は2024年6月から11月の選考期間中に4回失格を喫していた。
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17日からの「小松島ミッドナイトG3」が見逃せない理由
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編集者・ライター。法政大学文学部哲学科卒業後、歴史、金融、教育、競輪など幅広い分野の専門メディアに関わり、大手競輪メディアではニュースやコラムを執筆。現在は、アルコールやギャンブル依存症の回復支援団体で広報も担当。FP2級と宅建士の資格を保有。趣味は油絵とコーヒー。
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