BMW M2

BMW M2とは

BMW M2は、3.0リッター直6ツインターボを搭載するFRのコンパクトクーペ。
BMW M2は、3.0リッター直6ツインターボエンジンを搭載するFRのコンパクトクーペ。

BMWの100%子会社であるBMW M GmbHが送り出すハイパフォーマンスコンパクトクーペが「BMW M2」だ。2代目となる現行モデル(G87型)は2023年に登場した。全長約4600mmの扱いやすいボディに、M3/M4と同系統の3.0リッター直6ツインターボ「S58」型エンジンを搭載し、最高出力は480PSに達する。駆動方式は後輪駆動のみで、アクティブMディファレンシャルやアダプティブMサスペンションが標準装備されるなど、サーキット走行も視野に入れた構成が特徴だ。トランスミッションは8速MステップトロニックATに加え、希少な6速MTも選択可能。コンパクトながらも強烈な加速とシャープなハンドリング、そしてBMW伝統の直6サウンドが魅力のモデルだ。

BMW M2の外観・内装

BMW M2はカタマリ感のある力強い外観と、最新のMモデルに共通する機能美あふれる内装を兼ね備える。

外観:ワイドなスタンスと空力性能を両立したエクステリア

フロントには専用デザインのコンパクトかつワイドなキドニーグリルを備え、バンパー左右には大きなエアインテークを配置。冷却性能と空力性能を両立させつつ、視覚的にもパワフルな印象を与えている。ワイドなフェンダーと短いオーバーハングが生むプロポーションは、停車中でも躍動感に満ちた印象を与えている。リヤは4本出しのテールパイプと立体的なディフューザーがMモデルらしい迫力を醸し出している。オプションのMパフォーマンスパーツを装着すれば、さらなる存在感とサーキット志向のスタイルを演出できる。

内装:ドライバー重視の設計と高品質素材によるインテリア

コクピットはドライバーを中心にレイアウトされ、BMWカーブドディスプレイ(12.3インチメーターパネルと14.9インチセンターディスプレイ)を装備する。M専用メニューや走行モード設定を直感的に操作できるほか、標準のMスポーツシートは長距離移動とスポーツ走行の両方で快適性とサポート性を両立する。ヴァーネスカレザーやカーボンファイバーのトリムが室内を引き締め、視覚的にも走りの世界へと引き込む空間に仕上げられている。オプションのMカーボンバケットシートを選べば、サーキット走行時のホールド感が飛躍的に向上する。

BMW M2のサイズ

BMW M2はコンパクトなボディながらワイド&ローのプロポーションを持ち、取り回しの良さと安定感の高さを両立している。街中でも扱いやすいと同時にサーキットでもパフォーマンスを発揮するサイズ設計が特徴だ。

ボディサイズ:安定性を高める低重心とワイドプロポーション

全長4580mm、全幅1885mm、全高1410mm、ホイールベースは2745mm。先代(F87型)よりも全長が112mm延長され、全幅が33mm拡大し、よりワイドなスタンスが強調された。短い前後オーバーハングと広いトレッドがもたらす低重心化により、コーナリング時の安定性やステアリング応答性が向上。全幅は一般的な日本の駐車場枠に収まる範囲と言えるが、その中で迫力のある姿を実現している。

室内スペース:快適性と実用性を両立したキャビンレイアウト

パッケージングの改善により、前席は十分なヘッドルームとレッグスペースを確保した。スポーツ走行時でも身体をしっかり支えるMスポーツシートにより、長時間のドライブでも疲れにくい。後席は2人掛けで、大人が短時間座るには十分なスペースがあり、荷物置きとしても機能する。トランク容量は約390Lで、週末の旅行やサーキット走行用の荷物も積載可能だ。

BMW M2の走行性能・燃費性能

BMW M2は、サーキット走行にも耐える高剛性シャーシと強力な直6エンジンを搭載し、日常からスポーツ走行まで幅広くこなす。一方で、最新の燃料制御技術により、このクラスとしては良好な燃費性能を達成している。

走行性能:高出力エンジンと俊敏なハンドリング

3.0リッター直6ツインターボ「S58」型エンジンは最高出力480PS(353kW)、最大トルク600Nm(8速AT)(6速MT=550Nm)を発生。8速MステップトロニックATでは0–100km/h加速4.0秒(6速MT=4.2秒)を誇る。後輪駆動にアクティブMディファレンシャルを組み合わせ、旋回中のトラクションを最適化。アダプティブMサスペンションや高性能ブレーキが安定した走りと鋭いレスポンスを実現している。

燃費性能:最新技術による効率化と実用性のバランス

BMW M2の燃費性能は、市街地走行から高速巡航まで幅広い状況を考慮したWLTCモードで10km/L(8速AT)(6速MT=9.8km/L)とされている。500馬力近い直6ツインターボとしては優秀な数値であり、電子制御による燃料噴射や無段階可変バルブリフト「バルブトロニック」、吸排気無段階可変バルブタイミング「ダブルVANOS」などの採用が効率化に貢献している。エンジン特性は低回転域から豊かなトルクを発生するため、高速走行時だけでなく低速巡航時も燃料消費を抑えることが可能だ。

BMW M2の購入価格・維持費

Mモデルの中では比較的手の届きやすい価格だが、それでも1000蔓延を超える。
Mモデルの中では比較的手の届きやすい価格だが、それでも1000万円を超える。

BMW M2はMブランドの中では比較的手の届きやすい高性能モデルだが、購入価格は1000万円を超える。税金・保険・消耗品などの維持費も、性能相応のレベルと言えるだろう。

購入価格:装備とオプションが与える価格への影響

日本市場における現行BMW M2の車両本体価格は8速AT、6速MTともに1018万円(2025年8月時点、消費税込)。オプション装備によって価格は変動し、Mカーボンバケットシートや軽量ホイールとトラックタイヤなどのパッケージオプション「Mレース・トラック・パッケージ」は200万円を超える。また、為替レートやモデルイヤー変更によって価格が改定されることもある。

維持費:高性能車としてのランニングコストの目安

維持費には、自動車税(排気量3.0Lクラスで年額約5万1000円)、重量税(車検時3万2800円)、自賠責保険(車検時1万7650円)、任意保険および定期的なメンテナンス費用が含まれる。高性能車ゆえにタイヤやブレーキなど消耗品の交換頻度とコストは高め。ガソリン代は年間の走行距離やガソリン価格によって変動する。以下は参考までの概算。

区分項目年間費用(円)備考
税金・保険自動車税5万1000排気量2992cc
重量税1万64001.7t(車検時3万2800円)
自賠責保険88252年分が1万7650円
任意保険10万車両保険含む
メンテナンスオイル交換5万ディーラーでの作業
タイヤ交換10万3万kmで交換の場合
消耗品交換ブレーキパッド、ブレーキフルード、バッテリー等の定期交換・整備費用
日常費用ガソリン約20万年間1万km走行、燃費8km/L、¥170/Lで計算
駐車場60万都内マンション併設タワーパーキング想定(5万円/月)
合計約110万注)税金・自賠責保険料以外はすべて概算

BMW M2現行モデル解説

現行型BMW M2はM3/M4譲りの高性能エンジンを搭載し、先進的な電子制御とサーキット対応の足まわりを組み合わせた万能ハイパフォーマンスモデルである。

BMW M2 車種概要

現行型M2は全長4580mm、全幅1885mm、全高1410mm、ホイールベース2745mmのコンパクトな2ドアクーペ。外観はワイドなフェンダーと大型エアインテークを持つ力強いデザイン、内装はBMWカーブドディスプレイとMスポーツシートを中心としたドライバー重視のレイアウトが特徴だ。

搭載する3.0リッター直6ツインターボ「S58」型エンジンは最高出力480PS、最大トルク600Nm(8速AT)(6速MT=550Nm)を発生する。トランスミッションは6速MTと8速ATから選択可能で、走りの味わいを好みに合わせられる。0–100km/h加速は4.0秒(8速AT。6速MT=4.2秒)、燃費はWLTCモードで10km/L(8速AT)9.8km/L(6速MT)。駆動方式はFRで、アクティブMディファレンシャルやアダプティブMサスペンションが標準装備される。基本的には単一仕様で価格は1018万円(消費税込)からだが、オプションにより大きく変動する。

発表2023年
全長/全幅/全高/ホイールベース(mm)4580/1885/1410/2745
パワートレイン3.0リッター直6ツインターボ
総排気量2992cc
最高出力
最大トルク
353kW (480PS)/6250rpm
600Nm/2700~5620rpm (8AT) 
550Nm/2650~6130rpm (6MT)
トランスミッション、駆動方式8速AT・6速MT、FR
車両重量 1730kg (AT)・1710kg (MT)
0→100km/h加速4.0秒 (AT)・4.2秒 (MT)
最高速度250km/h (リミッター)
新車価格1018万円(税込)

登場予定のM2 CS

BMWはハイパフォーマンス版「M2 CS」を今年の5月に発表した。価格情報は見当たらないが、日本のBMW公式ウェブサイトにもすでに写真や情報が一部掲載されており、ドイツ、アメリカおよび中国では2025年晩夏に販売が開始されるという。最高出力390kW(530PS)、最大トルク650Nmに引き上げられ、0→100km/h加速は3.8秒とされている。内外装にカーボン強化プラスチック(CFRP)素材の使用や軽量の鍛造ホイールを採用して約30kgの軽量化を達成している。リヤスポイラーなどの専用エクステリアやサスペンションセッティング、大径ブレーキシステムの採用も予想され、サーキット性能がさらに向上するだろう。内装も専用のシートやアルカンターラ仕上げが施され、見た目・質感ともに特別感を強調。限定生産の可能性が高く、注目を集めるモデルとなりそうだ。

M2の最上級仕様「M2 CS」の走行シーン。

M3に匹敵するパフォーマンスを手にしたBMW M2 CSがデビュー「最高出力530馬力と30kg軽量化」【動画】

BMWは2ドアハイパフォーマンスクーペ「M2 CS」を発表した。M2 CSは、2025年5月23日から25日にかけてイタリア・コモ湖畔で開催された「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステにおいて先行公開。2025年晩夏からドイツにおいて販売を開始する。

BMW M2の新車・中古車価格

時期型のM2 CSも、希少性から中古車になっても安定した価格で取引されることが予想される。
次期型のM2 CSも、希少性から中古車になっても安定した価格で取引されることが予想される。

BMW M2は、コンパクトな高性能スポーツクーペとしての希少性と人気から、新車価格だけでなく中古車相場も比較的高値を維持している。現行型は発売から間もないため中古車市場でも高年式・低走行車が多く価格が安定している。旧型もコンディションや限定仕様によっては高値で販売されているようだ。6速MTや特別仕様車は、中古車市場でもプレミア価格となる場合がある。

モデル世代新車価格(税込)中古車相場備考
現行型(G87・2023〜)1018万円〜約950万〜1150万円新車同様の個体が多い。6速MTは希少
先代(2016〜2017)約730万円約500万〜750万円3.0L直6 N55エンジン
先代「コンペティション」(2018〜2020)約830万円約600万〜850万円M3譲りのS55エンジン
先代「CS」(2020)約1080万円約1000万〜1300万限定生産

BMW M2について多い質問

以下では、BMW M2について多い質問・疑問に回答する。

Q1. BMW M2とM3/M4との大きな違いは?

A. M2はM3/M4よりもコンパクトでホイールベースが短く、軽快なハンドリングが特徴。エンジンは同系統だが、チューニングにより出力は若干抑えられている。比較的手が届きやすい価格設定で、狭い道路やワインディングでも扱いやすいモデルとして人気。

Q2. BMW M2は日常使いに向いているか?

A. ボディサイズは全長4.6m弱と比較的コンパクトで、街中や駐車場でも扱いやすいサイズと言える。サスペンションはスポーツ寄りだが、アダプティブMサスペンションのコンフォートモードを使えば、日常走行でも十分な乗り心地を確保できる。

Q3. BMW M2を売却する際の値落ちは?

A. BMWのMモデルはブランド価値と性能評価が高く、中古市場でも一定の需要がある。特にMT仕様や低走行の場合は値落ちは小さい傾向にある。「CS」など限定モデルは比較的高価格で取引される。先代(F87)は現行モデルの登場からしばらくしたことで値下がりが一巡し、現在は安定傾向にある。現行型はまだ中古流通量が少なく、値落ちは緩やか。

BMW M2の購入方法

高性能パーツのメンテナンスは信頼のおけるガレージに任せるのが安心だ。
高性能パーツのメンテナンスは信頼のおけるガレージに任せるのが安心だ。

全国のBMW正規ディーラーで購入できる。正規ディーラーでは、いわゆるBMW認定中古車も取り扱っている。スポーツ走行を好むファンも多いBMWの場合、取り扱いに慣れた専業店なども多い。中古車の場合は、オーナーの好みによっては専業店などを探すのも選択肢に含まれるだろう。

新型M2が搭載するのはS58型3.0リッター直6ツインターボ。つまり現行のM3/M4と同じユニットで、その最高出力は460PSはわずか20PSしか変わらない。

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サーキット走行も視野に入れたBMW Mハイパフォーマンスモデルの末弟、M2。今となっては希少なマニュアルトランスミッションの選択肢を備えた最新のM2は、G87型へとフルモデルチェンジを敢行してどのような進化を遂げたのか?

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