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出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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漢字

尋󠄀
尋󠄁

字源

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  • 甲骨文字の形は象形文字で、両腕を広げて長さをはかるさまを象り[字源 1]金文で手に関する意味を強調する「」が加えられた。「腕の長さ」「長さを測る」を意味する漢語 /*sləm/}を表す字。のち「」を加えて[字源 2]、「ふねすすむ」を意味する漢語{ /*hlrəm/}を表した。原字に描かれた両腕のうち下側の手が「工」の形に変化し、「舟」が「口」の形に変化した結果、楷書では「尋」の字体となる[字源 3]
    • 「尋」に含まれる「工」と「口」を「」「」に関連づけて説明されることがある[字源 4]が、これは誤った分析である。漢代以前に書かれた文字資料を見ればわかるように、「左」「右」とは関係がなく、「工」と「口」はそれぞれ「又」(手の形)と「舟」に由来する[字源 5]

甲骨文字

小篆

流伝の古文字

説文
(漢)
《六書通》
(明)
  1. 唐蘭 『天壌閣甲骨文存考釈』 輔仁大学、1939年、42-43頁。
    李孝定編述 『甲骨文字集釈』 中央研究院歴史語言研究所、1970年、1037-1038頁。
    張世超、孫凌安、金国泰、馬如森 『金文形義通解』 中文出版社、1996年、705-706頁。
    林志強等評注 『《文源》評注』 中国社会科学出版社、2017年、300頁。
  2. 劉釗 「読秦簡字詞札記」 『簡帛研究』第2輯 1996年、113-114頁。
    劉釗 『古文字構形学』 福建人民出版社、2006年、321-322頁。
  3. 于淼、秦宗林 「漢代隷書対篆書的影響和改造——以漢篆疑字釈読為中心」 『出土文献』2023年第1期 86-87頁。
  4. 白川静 『新訂 字統』 平凡社、2004年、498-499頁。
  5. 于淼、秦宗林 「漢代隷書対篆書的影響和改造——以漢篆疑字釈読為中心」 『出土文献』2023年第1期 86-87頁。

意義

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  1. (長さの単位)ひろ
  2. 長さなどををはかる。
  3. たずねる質問する。
  4. じん (仏教) 推究粗大動き五位七十五法ごいしちじゅうごほう心所法しんじょほうのうち、不定法ふじょうほうのひとつ(ウィキペディア「五位」も参照)。

語源

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日本語

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常用漢字

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接尾辞

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  1. ひろ尺貫法の長さの単位。大人が手を広げた長さで、主に漁業の場で綱の長さや水深を測るときに用いた(目盛の付いた綱をおろして水深を測ったのである)。1尋は、江戸時代に5~6尺であったが、明治期に6尺(約1.8m 1に等しい)に定められた。身体を基準とする単位としては、ヤードポンド法fathomと同様の考え方である。

翻訳

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両手を伸ばした長さ — 「ひろ#翻訳」を参照のこと

熟語

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中国語

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*

(簡体字:

朝鮮語

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*

ベトナム語

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*


文字情報

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U+5C0B, 尋
CJK 統合漢字-5C0B

[U+5C0A]
CJK統合漢字
[U+5C0C]
文字コード (文字集合規格)
-
  • KS X 1001: 0x637C


漢点字 六点漢字
字典掲載
康熙字典 295ページ, 12文字目
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) 7447
新潮日本語漢字辞典 (2008) 2653/2654
角川大字源 (1992) 2140/2141
講談社新大字典 (1993) 3614/3615
大漢語林 (1992) 2604/2605
三星漢韓大辞典 (1988) 586ページ, 2文字目
漢語大字典 (1986-1989) 1巻, 510ページ, 1文字目