ブルース・スターリング
ブルース・スターリング Michael Bruce Sterling | |
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ブルース・スターリング、2004年フェスティバル・アルスエレクトロニカにて | |
誕生 |
1954年4月14日(70歳) アメリカ合衆国テキサス州ブラウンズビル |
職業 | 小説家、SF作家、ジャーナリスト |
国籍 | アメリカ合衆国 |
ジャンル | SF |
文学活動 | サイバーパンク/ポストサイバーパンク |
代表作 |
『スキズマトリックス』 『ディファレンス・エンジン』 |
主な受賞歴 | ヒューゴー賞、ローカス賞 |
配偶者 | ジャスミナ・テサノヴィッチ |
公式サイト | Mirrorshades Postmodern Archive |
ウィキポータル 文学 |
ミカエル・ブルース・スターリング(Michael Bruce Sterling, 1954年4月14日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州ブラウンズビル出身の小説家、SF作家、ジャーナリスト。
1980年代を席巻したサイバーパンク運動でウィリアム・ギブスンと並んで中心的役割を果たした。その後もSF界の代表的な作家として活躍。セルビア人作家のジャスミナ・テサノヴィッチと結婚。現在ベオグラード在住である。
経歴
[編集]子供時代には父親の仕事の関係で、インドなど国外で多く過す。テキサス大学入学後、オースティンのSFファンダムを通じて、創作講座「ターキー・シティ」に参加、ここでハーラン・エリスンに見い出され、アンソロジー『最後の危険なヴィジョン』(The Last Dangerous Vision)に短編を買われてプロ作家デビューする(未刊)。
1977年、第一長篇『塵クジラの海』(Involution Ocean)を、ハーラン・エリスン・ディスカバリーズの1作として発表。その後若手作家のルーディ・ラッカー、ジョン・シャーリィ、ギブスンらとの交流が始まり、サイバーパンク運動の中心人物となる。1982年に短編「巣」(Swarm)、「スパイダー・ローズ」(Spider Rose)を発表。それぞれネビュラ賞・ヒューゴー賞、ヒューゴー賞候補となり注目を集め、これが「機械主義者/工作者」(Mechanist/Shaper)シリーズとなった。
1985年、シリーズ長編『スキズマトリックス』(Schismatrix)を発表し、人気作家としての地位を固める。 1980年代後半からは、サイバーパンクの枠をさらにグローバルに広げた作品「われらが神経チェルノブイリ」(Our Neural Chernobyl)、「あわれみ深くデジタルなる」(The Compassionate, the Digital)、長編『ネットの中の島々』などを発表。
1992年には、実際に1990年に起きたハッカー一斉取締の顛末を追ったノンフィクション『ハッカーを追え!』を発表しベストセラーとなる。
1997年、短編「自転車修理人」(Bicycle Repairman)でヒューゴー賞受賞。1999年、短編「タクラマカン」(Taklamakan)でヒューゴー賞、ローカス賞受賞。この2作は「ディープ・エディ」(Deep Eddy)とともにチャタヌーガ三部作と呼ばれる。
親日家として知られ、「SFマガジン」誌も購読しており、1986年10月号に書き下ろし短編「江戸の花」(Flowers of Edo)を、1997年1月号に未来の日本社会を扱いローカス賞を受賞したSF短編「招き猫」(Maneki Neko)も書いている。1996年に幕張新都心で開かれたWorld PC EXPOで「サイバーワールドの光と影」と題して講演。サンディー&ザ・サンセッツのファンでもある。
作品リスト
[編集]長編
[編集]- 塵クジラの海 (Involution Ocean, 1977)
- 人工少年 (The Artificial Kid, 1980)
- スキズマトリックス (Schismatrix, 1985) - 1985年度ネビュラ賞候補、1986年度英国SF協会賞候補
- ネットの中の島々 (Islands in the Net, 1989) - 1989年度ジョン・W・キャンベル記念賞受賞、また同年度のヒューゴー賞およびローカス賞候補
- ディファレンス・エンジン (Difference Engine, 1990) - ウィリアム・ギブスンとの合作。1990年度英国SF協会賞候補、1991年度ネビュラ賞候補、1992年度ジョン・W・キャンベル記念賞候補
- Heavy Weather (1994)
- ホーリー・ファイヤー (Holy Fire, 1996) - 1996年度英国SF協会賞候補、1997年度ヒューゴー賞候補、1997年度ローカス賞候補
- Distraction (1998) - 2000年度アーサー・C・クラーク賞受賞、また1999年度のジョン・W・キャンベル記念賞、ヒューゴー賞、ローカス賞の候補
- Zeitgeist (2000) - 2001年度ローカス賞候補
- The Zenith Angle (2004)
- The Caryatids (2009)
- Love Is Strange (2012)
短編集
[編集]- Crystal Express (1989) - 日本語訳が公刊されていない短編集。収録作品のうち五作が日本オリジナルの短編集『蝉の女王』に所収されている。
- 巣(Swarm) - 1982年度ネビュラ賞ノヴェレット部門候補、1983年度ヒューゴー賞、ローカス賞ノヴェレット部門候補
- スパイダー・ローズ(Spider Rose) - 1983年度ヒューゴー賞短編部門候補
- 蝉の女王(Cicada Queen)
- 火星の神の庭(Sunken Gardens)
- <機械主義者/工作者の時代>二十の情景(Twenty Evocations)
- Green Days in Brunei
- 間諜(Spook)
- 美と崇高(The Beautiful and the Sublime)
- テリアムド(Telliamed)
- 小さな魔法のお店(The Little Magic Shop)
- 江戸の花(Flowers of Edo)
- アウタゴストの正餐(Dinner in Audoghast)
- 蝉の女王 (Cicada Queen, 1989) - 早川書房(日本オリジナル、「機械主義者/工作者」シリーズの短篇を纏めたもの)
- 巣(Swarm)
- スパイダー・ローズ(Spider Rose)
- 火星の神の庭(Cicada Queen)
- 〈機械主義者/工作者の時代〉二十の情景(Twenty Evocations)
- グローバルヘッド (Globalhead, 1992) - 日本語訳済みの短編集。
- われらが神経チェルノブイリ(Our Neural Chernobyl)
- 宇宙への飛翔(Storming the Cosmos) - ルーディ・ラッカーとの共作
- あわれみ深く、デジタルなる(The Compassionate, the Digital)
- ジムとアイリーン(Jim and Irene)
- ダモクレスの剣(The Sword of Damocles)
- 湾岸の戦争(The Gulf Wars)
- ボヘミアの岸辺(The Shores of Bohemia)
- モラル弾(The Moral Bullet)
- 考えられないもの(The Unthinkable)
- ものの見方の違い(We See Things Differently)
- ハリウッド・クレムリン(Hollywood Kremlin)
- 中絶に賛成ですか?Are You for 86?)
- ドリ・バンズ(Dori Bangs)
- タクラマカン (A Good Old-Fashioned Future, 1999)
- 招き猫(Maneki Neko)
- クラゲが飛んだ日(Big Jelly) - ルーディ・ラッカーとの共作
- 小さな、小さなジャッカル(The Littlest Jackal)
- 聖なる牛(Sacred Cow)
- ディープ・エディ(Deep Eddy)
- 自転車修理人(Bicycle Repairman) - 1997年度ヒューゴー賞ノヴェレット部門受賞
- タクラマカン(Taklamakan) - 1999年度ヒューゴー賞ノヴェレット部門受賞、同年SFマガジン読者賞受賞
- Visionary in Residence (2006) - 日本語訳が公刊されていない短編集
- 楽園では(In Paradise)
- ルシフェラーゼ(Luciferase)
- Homo Sapiens Declared Extinct
- Ivory Tower
- Message Found in a Bottle
- The Growthing
- User-Centric
- Code
- The Scab's Progress
- Junk DNA
- The Necropolis of Thebes
- The Blemmye's Stratagem
- The Denial
- Ascendencies: The Best of Bruce Sterling (2007) - 短編の傑作選
- 巣(Swarm)
- スパイダー・ローズ(Spider Rose")
- 蝉の女王(Cicada Queen)
- 火星の神の庭(Sunken Gardens)
- <機械主義者/工作者の時代>二十の情景(Twenty Evocations)
- Green Days In Brunei
- アウタゴストの正餐(Dinner in Audoghast)
- あわれみ深く、デジタルなる(The Compassionate, the Digital)
- 江戸の花 (Flowers of Edo)
- 小さな魔法のお店(The Little Magic Shop)
- われらが神経チェルノブイリ(Our Neural Chernobyl)
- ものの見方の違い(We See Things Differently)
- ドリ・バンズ(Dori Bangs)
- ハリウッド・クレムリン(Hollywood Kremlin)
- 中絶に賛成ですか?(Are You For 86?)
- 小さな、小さなジャッカル(The Littlest Jackal)
- ディープ・エディ(Deep Eddy)
- 自転車修理人(Bicycle Repairman)
- タクラマカン(Taklamakan)
- ダモクレスの剣(The Sword of Damocles)
- 招き猫(Maneki Neko)
- 楽園では(In Paradise)
- The Blemmye's Strategem
- キオスク(Kiosk)
- Gothic High-Tech (2012) - 日本語訳が公刊されていない短編集
- I Saw the Best Minds of My Generation Destroyed by Google
- キオスク(Kiosk)
- The Hypersurface of This Decade
- White Fungus
- The Exterminator's Want Ad
- 秘教の都(Esoteric City)
- The Parthenopean Scalpel
- The Lustration
- Windsor Executive Solutions - クリス・ナカシマ=ブラウンとの共作
- A Plain Tale from Our Hills
- The Interoperation
- Black Swan
ノンフィクション
[編集]- ハッカーを追え! (The Hacker Crackdown: Law and Disorder on the Electronic Frontier , 1992)
- Tomorrow Now: Envisioning the next fifty years (2002)
- Shaping Things (2005)
編著
[編集]- ミラーシェード(Mirrorshades, 1986) - サイバーパンク・アンソロジー
- ガーンズバック連続体 (The Gernsback Continuum) - ウィリアム・ギブスン
- スネーク・アイズ (Snake-Eyes) - トム・マドックス
- ロック・オン (Rock On) - パット・キャディガン
- フーディニの物語 (Tales of Houdin) - ルディー・ラッカー
- ガキはわかっちゃいない (400 Boys) - マーク・レイドロー
- 夏至祭 (Solstice) - ジェイムズ・パトリック・ケリー
- ペトラ (Petra) - グレッグ・ベア
- われら人の声に目覚めるまで (Till Human Voices Wake Us) - ルイス・シャイナー
- フリーゾーン (Freezone) - ジョン・シャーリー
- ストーン万歳 (Stone Lives) - ポール・ディ=フィリポ
- 赤い星、冬の軌道 (Red Star, Winter Orbit) - スターリングとウィリアム・ギブスンの合作
- ミラーグラスのモーツァルト (Mozart in Mirrorshades) - スターリングとルイス・シャイナーの合作
ほか短編、エッセイ他