三菱MC-20のソースを表示

{{ Infobox 航空機
| 名称=MC-20
| 画像=Image:Mitsubishi MC-20-II.jpg
| キャプション=[[中華航空 (1938-1945年)|中華航空]]の「[[白鶴]]」号として使用されるMC-20-II
| 用途=[[旅客機]]
| 分類=
| 設計者=
| 製造者=[[三菱重工業]]・[[日本国際航空工業]]
| 運用者 more=<br>
**[[大日本航空]]
**[[満洲航空]]
**[[中華航空 (1938-1945年)|中華航空]]
**[[読売新聞]]
**[[朝日新聞]]
**[[毎日新聞|大毎東日新聞]]など
| 初飛行年月日=[[1940年]]
| 生産数=
| 生産開始年月日=[[1940年]]
| 運用開始年月日=[[1940年]]
| 退役年月日=[[1945年]]
| 運用状況=退役済
| ユニットコスト= 
}}

'''三菱 MC-20'''（みつびし MC-20。'''MC20'''・'''MC二〇'''）は、[[三菱重工業]]が開発・製造した[[日本]]の[[旅客機]]。

[[大日本帝国陸軍]]の[[軍用機|軍用]][[輸送機]]である'''[[一〇〇式輸送機]]'''（キ57）の[[民間機|民間]]転用型。[[中島飛行機]]の[[中島AT-2|AT-2]]などと同様、[[大日本帝国|戦前中の日本]]における国産旅客機の代表的機種である。本機種は[[中華民国]]や[[満洲国]]にも輸出された。　

== 概要 ==
[[File:Mitsubishi Ki-57.jpg|thumb|250px|朝日新聞社で「[[朝雲]]」号として使用されるMC-20-I]]
'''キ57'''は、中島の[[九七式輸送機]]（中島AT-2）<ref>[[九七式輸送機]]（中島AT-2）は双発機かつ単葉であり、また引込脚のある近代的な重爆撃機である。</ref>に代わる新鋭輸送機の開発命令を受けて開発した双発輸送機（旅客機）である。[[九七式重爆撃機|九七式重爆撃機一型]]（キ21-I）をベースにして、[[航空用エンジン|エンジン]]と主翼の設計を流用し、胴体を再設計して完成させた<ref name=":0">{{Cite book|title=日本傑作機開発ドキュメント 設計者の証言 上|date=1994-08-05|year=|publisher=酣燈社|pages=116-125}}</ref>。
高速爆撃機であった九七重爆の特性を継承しており、当時の[[日本製航空機の一覧|日本の輸送機・旅客機]]の中でも特に優れた性能を持っていた。
[[1940年]]（昭和15年）に完成したキ57は帝国陸軍にて'''一〇〇式輸送機'''という[[制式|制式名称]]が与えられた。[[太平洋戦争]]初期の[[蘭印作戦#パレンバン空挺作戦|パレンバン空挺作戦]]においては[[挺進連隊|陸軍落下傘部隊]]の輸送を行う<ref name=":0" />など、陸軍主力輸送機として戦争の全期間を通じて活躍した。

'''MC-20'''はキ57の民間型の名称である。[[1940年]]9月に[[東京国際空港|羽田飛行場]]で完成披露式が行われた。機体は軍用および民用の通算で第4号機であった。[[大日本航空]]が取得して「[[妙高]]」号と名付けた。しかし、同年12月28日、同機は試験飛行中に[[東京湾]]（[[千葉県]]姉ヶ崎沖）に墜落する[[航空事故|事故]]を起こした。機体に搭乗していた14名全員は死亡した。墜落機は[[大日本帝国海軍|海軍]]の[[掃海艇]]により引き上げられた。調査の結果、昇降舵のフラッターが原因と推測され、バランスウェイトの改修が行われた。

MC-20は大日本航空のほか、[[満洲航空]]、[[中華航空 (1938-1945年)|中華航空]]（[[チャイナエアライン]]とは別企業）といった[[航空会社]]でも使用した。また、[[朝日新聞]]、[[読売新聞]]、[[毎日新聞|大毎東日新聞]]などでも社有機として使用された。特に朝日新聞の1号機「[[朝雲]]」号は、機内に通信機材や[[暗室]]を完備し、室内には机やソファを設置するなど、「空飛ぶ編集室」と呼ばれた<ref name=":0" />。さらに、[[日本の降伏|終戦]]後のいわゆる[[緑十字飛行]]にもMC-20および一〇〇式輸が使用され、[[YS-11]]が飛行するまで終戦後飛行した最後の国産旅客機となった。

[[1942年]]（昭和17年）には、一〇〇式輸送機二型（キ57-II）と同様に、エンジンの換装等を行った二型相当の'''MC-20-II'''が登場した。（従来機は'''MC-20-I'''と区別される）

三菱における生産数は、一〇〇輸・MC-20合わせ、一型が101機、二型が406機で、合計507機<ref name=":0" />。生産は[[1945年]]（昭和20年）1月以降、[[日本国際航空工業]]に移管されたが、移管後の生産数は不明とされている。この製造数は日本の輸送機のなかで最多である。

また、九七重爆の武装や装備を取り外した上で大日本航空が払い下げを受けた機体に'''[[九七式重爆撃機#輸送機型|MC-21]]'''というものがあった。こちらは[[貨物機|貨物輸送]]に使われたが、8席の乗客を収容できるようにした機体もあったという。読売新聞でもこのMC-21を4機使用した。

== 機体性能(MC-20-I) ==
* 運航乗員： 4名
* 乗客： 11名
* 全長： 16.10 m
* 全幅： 22.60 m
* 全高： 4.90 m
* 翼面積： 70.08 m{{sup|2}}
* 空虚重量： 5,522&nbsp;kg
* 全備重量： 8,437&nbsp;kg
* エンジン： [[ハ5|ハ5改]]空冷星型14気筒（離昇出力950hp） ×2
* 巡航速度： 320km/h
* 最高速度： 430km/h
* 航続距離： 1,500&nbsp;km （正規） / 3,000km （特別）
* 最高到達高度： 7,000m

== 出典・脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[Mitsubishi SpaceJet]]
* [[航空機乗員養成所]]

== 外部リンク ==
* [https://www.ne.jp/asahi/airplane/museum/cl-pln8/MC-20.html 古典航空機 電脳博物館 三菱 MC-20旅客機]
* [http://airhistory-nippon.la.coocan.jp/WEB/mc20page.html JCAL 三菱MC-20輸送機 資料室]
* {{NHK放送史|D0009180449_00000|国産優秀機ＭＣ２０}}


{{大日本帝国海軍}}

{{DEFAULTSORT:みつひしMC-20}}
[[Category:日本の旅客機]]
[[Category:三菱重工業製の飛行機]]
[[Category:大日本帝国海軍の航空機]]
[[Category:朝日新聞社の歴史]]