盛岡南公園球技場
盛岡南公園球技場(もりおかみなみこうえんきゅうぎじょう)は、岩手県盛岡市の盛岡南公園内にあるサッカーやラグビーなどの球技専用スタジアム[2]。施設は盛岡市が所有し、公益財団法人盛岡市スポーツ協会が指定管理者として運営管理を行っている。
盛岡南公園球技場 いわぎんスタジアム | |
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施設情報 | |
所在地 | 岩手県盛岡市永井8-65[1] |
位置 | 北緯39度38分52.55秒 東経141度8分15.03秒 / 北緯39.6479306度 東経141.1375083度座標: 北緯39度38分52.55秒 東経141度8分15.03秒 / 北緯39.6479306度 東経141.1375083度 |
開場 | 1998年 |
所有者 | 盛岡市 |
運用者 | 公益財団法人盛岡市スポーツ協会[1] |
グラウンド | 天然芝 |
ピッチサイズ | 145m×88m×2面[2] |
照明 | 1,500Lx(Aスタジアムのみ) |
大型映像装置 | 無し |
使用チーム、大会 | |
当項目を参照 | |
収容人員 | |
Aグラウンド:4,946人[2] Bグラウンド:4,946人[2] | |
アクセス | |
#アクセス参照 |
2016年に岩手銀行が命名権を取得し、同年4月1日から「いわぎんスタジアム」(略称「いわスタ」)の呼称を用いている(後述)。
概要
編集平成11年度全国高等学校総合体育大会(1999年開催)の誘致を期に1998年に完成した球技場である。全国高等学校総合体育大会ではサッカー競技のメイン会場として使用された。
2006年9月に当時のグルージャ盛岡(現・いわてグルージャ盛岡)を運営していた特定非営利活動法人「Jリーグチームを盛岡に作る会」は、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)加盟の条件となるホームスタジアムを確保するため、A(東側)グラウンドを5,000人規模に改修する構想があると発表した[3]。2014年のJ3リーグ加入時はAグラウンドをそのままホームスタジアムとして使用しており、入場可能人員を「2,466人」として特認を受けている。
照明設備は備えられていなかったが、クラブライセンス制度に基づくスタジアム基準が2016年に改正され、J3クラブも含めて2022年6月までにJリーグ公式戦が開催可能な照明設備を備えることが求められたことを踏まえ、照明設備の整備やスタンドの改修などを求めて市民が署名活動を行い、2019年6月に岩手県・盛岡市に対してグルージャからの要望書とともに提出された[4]。これを受け、盛岡市が2020年に照明設備の設計・施工一体型プロポーザルを行い、岩舘電気・NECネッツエスアイの共同企業体が受注[5]、翌年3月にかけてJリーグの開催要件を満たした照明設備の設置工事を行った[6]。なお、この照明設備設置事業費の一部について、グルージャの主要株主であるNOVAホールディングス及び関連会社からの企業版ふるさと納税を活用している[7]。
改修計画
編集なお、グルージャは2020年9月に特例規定(ライセンス取得後3年以内に既存施設の改修を完了させるか、昇格後5年以内にホームスタジアムを「Jリーグが掲げる理想のスタジアム」の要件を満たすスタジアムとすること)を適用したJ2ライセンスの申請が承認された[8]が、グルージャが2022年シーズンにJ2昇格を果たしたことで2024年までの建設計画策定・2029年度までのスタジアム整備が求められることになった。しかし、盛岡市の関係者は「いわぎんスタジアムを改修するにしても、結果的に費用は新たに作った場合と変わらないのでは」と述べており、クラブ側は交通アクセスに優れた別の場所でのスタジアム新設を念頭に県や市の支援を求める姿勢を示している[9]。
その一方、クラブの方針としては、2023年時点では当球技場の改修・改築を想定し、代表取締役(当時)の秋田豊が県民に対してスタジアムの必要性を訴えている[10]。秋田は「観客席は、個別に分かれていないベンチシートと芝生席です。個席になっていないので、年間指定席はテープを貼って区切っています。メインスタンドの屋根のある部分は、中継用のブースに使っています。ですから、一般の方は屋根のない席で観ていただくしかないんです。記者席も机が常設のものはありません。スタジアムの新設や改修には色々な理由があると思いますが、我々の場合は老朽化以前の問題です。Jリーグ60チームで最下位のスタジアムだと思っています」と指摘している[11]。
クラブは2024年も当球技場の改修を前提に検討を進めてきたが、2024年シーズン後にクラブがJリーグ退会・日本フットボールリーグ (JFL) 参入となったことに加え、改修費用の増大が見込まれることから、新スタジアム建設も視野に入れて計画を見直すこととなった[12]。
施設概要
編集施設命名権
編集2016年3月10日、岩手銀行と盛岡市は命名権契約を締結した。契約期間は3年(2016年4月1日から2019年3月31日まで)、契約金額は年間200万円(税抜)で「いわぎんスタジアム」(略称「いわスタ」)の呼称を用いる[13][14]。
開催された主なイベント・大会
編集サッカー
編集- 天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会
- いわてグルージャ盛岡のホームゲーム
- 日本女子サッカーリーグ公式戦
- 東北社会人サッカーリーグ公式戦(FCガンジュ岩手、盛岡ゼブラなど)
- 岩手県サッカー選手権大会(天皇杯岩手県予選)
- 全国高等学校サッカー選手権大会岩手県予選
ラグビー
編集- ジャパンラグビートップリーグ公式戦
- 釜石シーウェイブスの公式戦
その他
編集- 平成11年度全国高等学校総合体育大会(1999年)
アクセス
編集鉄道
編集バス
編集- JR、IGRいわて銀河鉄道・盛岡駅14番乗り場より岩手県交通バス利用。
自動車
編集- 東北自動車道・盛岡南インターチェンジより10分[1][15]
- JR盛岡駅より20分[17]
その他
編集- グルージャ盛岡はホームゲーム開催時に盛岡駅西口から有料シャトルバスを運行している。
ギャラリー
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メインスタンドからの眺め
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スタジアム南口
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バックスタンドからの眺め
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球技場北側から。Jリーグ基準に則るために照明塔が新しく設置された。
脚注
編集- ^ a b c d “施設案内”. 盛岡市. 2013年12月26日閲覧。
- ^ a b c d e f “盛岡南公園球技場”. 盛岡市体育協会. 2012年7月27日閲覧。
- ^ “雫石に大規模サッカー練習場 グルージャ盛岡運営のNPO法人が計画”. 盛岡タイムス (2006年10月1日). 2011年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月26日閲覧。
- ^ “<J3盛岡>J脱退回避へスタジアム整備を 岩手県に要望書”. 河北新報. (2019年6月20日). オリジナルの2020年6月19日時点におけるアーカイブ。 2022年2月22日閲覧。
- ^ “盛岡南公園球技場照明設備整備事業設計・施工者選定プロポーザルに係る選定結果について” (PDF). 盛岡市. 2021年10月16日閲覧。
- ^ “いわぎんスタジアムの照明設備整備工事開始に伴う一部制限につきまして”. いわてグルージャ盛岡 (2020年10月1日). 2021年10月16日閲覧。
- ^ “NOVAホールディングス株式会社ほか2名様から寄附を受領しました”. 盛岡市 (2021年3月3日). 2021年10月16日閲覧。
- ^ “2021シーズン Jリーグクラブライセンスの交付について”. いわてグルージャ盛岡 (2020年9月28日). 2022年2月22日閲覧。
『クラブライセンス交付第一審機関(FIB)決定による 2021シーズン Jリーグクラブライセンス判定について』(プレスリリース)日本プロサッカーリーグ、2020年9月28日 。2022年2月22日閲覧。 - ^ “いわてグルージャ盛岡 真のJ2昇格へ スタジアム整備の課題”. NHK盛岡放送局・『おばんですいわて』WEB特集 (2021年12月22日). 2022年2月22日閲覧。
- ^ タイムリミット迫るサッカー“スタジアム問題” グルージャ盛岡が再びJ2で羽ばたくためには<岩手県>(岩手めんこいテレビ)
- ^ “「Jリーグで最下位のスタジアム」いわてグルージャ盛岡・秋田豊社長が語る“スタジアム改修”への熱意「岩手県からサッカーの火を消さないために」”. Number web (2023年9月13日). 2024年12月9日閲覧。
- ^ 「いわぎんスタジアム改修計画を再検討 費用増見通し、新設視野」『岩手日報』2024年11月30日。2024年12月9日閲覧。
- ^ 『ネーミングライツ事業』(プレスリリース)盛岡市 。2016年3月18日閲覧。
- ^ ネーミングライツ・パートナー契約の締結について~県内金融機関として初のネーミングライツ取得~ - 岩手銀行
- ^ a b “盛岡南公園球技場”. J3リーグ. 2014年3月10日閲覧。
- ^ いわぎんスタジアム 盛岡市 2018年4月21日閲覧。
- ^ “ホームゲーム観戦ルール”. グルージャ盛岡. 2014年6月6日閲覧。