桜木遺跡(さくらぎいせき)は、東京都世田谷区桜一丁目に所在する旧石器時代から近現代に至る複合遺跡である。世田谷区のほぼ中央部にあたる台地上に位置し、その範囲は東西に約400メートル、南北に約220メートル、面積は約80,000平方メートルと推定されている。2005年(平成17年)に初めて発掘調査(第0次調査)が行われ、同年の第1次調査で350軒以上にのぼる縄文時代の住居跡が発見された。世田谷区内の大規模縄文遺跡の1つで、東京都下でも最大級の環状集落と評価される。 前述の第0次調査から2015年(平成27年)の第11次調査まで、14回にわたって本発掘調査が行われ、今後も引き続き調査が予定されている。これまでの発掘調査において縄文時代中期の大規模な集落遺跡である点がとりわけ注目され、目黒川・烏山川水系に分布する縄文時代中期の集落遺跡群において中核的な存在である「拠点集落」との推定がなされている。この遺跡から出土した縄文時代の遺物は、2009年(平成21年)に「桜木遺跡出土の縄文時代遺物一括」として世田谷区の指定有形文化財(考古資料)に指定された。