『富士に立つ影』(ふじにたつかげ)は、白井喬二作の長編時代小説。1924年(大正13年)7月20日から1927年(昭和2年)7月2日にかけて報知新聞に1000回を超えて連載された。1925年9月-1927年5月、全8巻刊行。 築城家である赤針流熊木家と賛四流佐藤家の三代68年(文化2年から明治6年)に渡る確執と和解を全10篇に渡って描く大河小説で、中里介山の『大菩薩峠』、吉川英治の『宮本武蔵』と並び日本の大衆小説の一方の頂点を成す作品である。報知新聞に発表された「作者の言葉」によれば、「一言でいうなれば人間性の上にいくばくかの"戦争と平和"を現出させたいと思っておる次第であります」となっている。単行本は300万部を突破したという大ベストセラーとなった。熊木家の2代目である熊木公太郎が全体の主人公だが、この人物は明朗快活で正直という明るいキャラクターで、『大菩薩峠』の冷酷かつニヒルな机竜之助と好対照を成し、多くの読者から好評を得た。また、物語の最初は熊木伯典が悪玉で佐藤菊太郎が善玉であったが、熊木公太郎と佐藤兵之助の代になってそれが逆転し、必ずしも一方が善玉で他方が悪玉とはいえない巧みな構成になっている。また、それまでは時代小説といえばチャンバラが定番であったのを、『兵学大講義』の兵学勝負や『新撰組』での独楽勝負と並んで、築城を巡る論争で勝負するという、新しい手法を開拓した。本作品は大岡昇平や小林信彦といった作家や文藝評論家の大井廣介により高く評価されている。

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  • 『富士に立つ影』(ふじにたつかげ)は、白井喬二作の長編時代小説。1924年(大正13年)7月20日から1927年(昭和2年)7月2日にかけて報知新聞に1000回を超えて連載された。1925年9月-1927年5月、全8巻刊行。 築城家である赤針流熊木家と賛四流佐藤家の三代68年(文化2年から明治6年)に渡る確執と和解を全10篇に渡って描く大河小説で、中里介山の『大菩薩峠』、吉川英治の『宮本武蔵』と並び日本の大衆小説の一方の頂点を成す作品である。報知新聞に発表された「作者の言葉」によれば、「一言でいうなれば人間性の上にいくばくかの"戦争と平和"を現出させたいと思っておる次第であります」となっている。単行本は300万部を突破したという大ベストセラーとなった。熊木家の2代目である熊木公太郎が全体の主人公だが、この人物は明朗快活で正直という明るいキャラクターで、『大菩薩峠』の冷酷かつニヒルな机竜之助と好対照を成し、多くの読者から好評を得た。また、物語の最初は熊木伯典が悪玉で佐藤菊太郎が善玉であったが、熊木公太郎と佐藤兵之助の代になってそれが逆転し、必ずしも一方が善玉で他方が悪玉とはいえない巧みな構成になっている。また、それまでは時代小説といえばチャンバラが定番であったのを、『兵学大講義』の兵学勝負や『新撰組』での独楽勝負と並んで、築城を巡る論争で勝負するという、新しい手法を開拓した。本作品は大岡昇平や小林信彦といった作家や文藝評論家の大井廣介により高く評価されている。 (ja)
  • 『富士に立つ影』(ふじにたつかげ)は、白井喬二作の長編時代小説。1924年(大正13年)7月20日から1927年(昭和2年)7月2日にかけて報知新聞に1000回を超えて連載された。1925年9月-1927年5月、全8巻刊行。 築城家である赤針流熊木家と賛四流佐藤家の三代68年(文化2年から明治6年)に渡る確執と和解を全10篇に渡って描く大河小説で、中里介山の『大菩薩峠』、吉川英治の『宮本武蔵』と並び日本の大衆小説の一方の頂点を成す作品である。報知新聞に発表された「作者の言葉」によれば、「一言でいうなれば人間性の上にいくばくかの"戦争と平和"を現出させたいと思っておる次第であります」となっている。単行本は300万部を突破したという大ベストセラーとなった。熊木家の2代目である熊木公太郎が全体の主人公だが、この人物は明朗快活で正直という明るいキャラクターで、『大菩薩峠』の冷酷かつニヒルな机竜之助と好対照を成し、多くの読者から好評を得た。また、物語の最初は熊木伯典が悪玉で佐藤菊太郎が善玉であったが、熊木公太郎と佐藤兵之助の代になってそれが逆転し、必ずしも一方が善玉で他方が悪玉とはいえない巧みな構成になっている。また、それまでは時代小説といえばチャンバラが定番であったのを、『兵学大講義』の兵学勝負や『新撰組』での独楽勝負と並んで、築城を巡る論争で勝負するという、新しい手法を開拓した。本作品は大岡昇平や小林信彦といった作家や文藝評論家の大井廣介により高く評価されている。 (ja)
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