定常経済(ていじょうけいざい)すなわち定常状態の経済(ていじょうじょうたいのけいざい、英: steady-state economy)とは一定の物理的な財産(資本)と一定の人口規模から成り立つ経済である。実際には、このような経済は時間経過において成長しない。その用語は通常特定の国の国民経済を指すが、しかしそれはひとつの都市や地域、もしくは世界の経済システムについても適用しうる。初期の経済思想史において、18世紀の古典派経済学者のアダム・スミスは経済の定常状態(英: stationary state)の概念を展開した:スミスは世界のいかなる国民経済も早晩定常の終局状態に落ち着くだろうことを信じた。 1970年代以降、定常状態の経済の概念は環境経済学者のハーマン・デイリーの主導の仕事をもって主に関連してきた。経済を通した天然資源の流通の環境的な分析を含んだ定常状態(英: steady-state)のデイリーの概念として、彼の概念は定常状態(英: stationary state)の元来の古典派の概念とは違っている。一つの他の違いは、すべての資源利用における永久の政府の制約を課することで定常状態の経済を創設するような直接の政治的行動をデイリーは勧める。これに反して古典期の経済学者らは、どのような経済の終局の定常の状態もいかなる政府の干渉なしにそれ自身で展開されることを信じた。