乳酸エチル(にゅうさんエチル、英: Ethyl lactate)は、乳酸とエタノールから形成される塩基性エステルである。天然にはワインや鶏肉、果実類、味噌に微量含まれる。食品用香料として有用であり、香りはナッツ様、乳製品様、果実様とも表現される。乳酸エチルは生物により生成されるが、元となる乳酸を生成する生物により左旋性(S)と右旋性(R)の光学異性体が生じるが、多くは左旋性である。 産業的には石油化学工業により製造され、その場合には左旋性と右旋性が混在したラセミ体となる。いずれの異性体とも生分解性があると考えられている。水と酸または塩基の存在下では乳酸とエタノールに加水分解される。