『モーゼとアロン』(Moses und Aron)は、アルノルト・シェーンベルク作曲の未完のオペラ。 十二音技法によって書かれ、1つのセリー(音列)が基礎になっている。単一のセリーでオペラを書いたことはシェーンベルクには1つの誇りであったようで、エッセイ「12音技法の作曲」の中で「私は1つのセリーで1曲のオペラを作ることができる」と述べている。全3幕の予定だったが、第3幕はシェーンベルクによる台本が書かれたのみで作曲は中断された。第2幕まではオーケストレーションも含めてシェーンベルク自身の手で完成されている。全曲にわたって演奏は技術的に困難であり、第2幕第3場の「黄金の子牛の踊り」は特に難しい。シェーンベルク自身は、エレクトロニクスの力を借りなければ演奏は不可能だろうと考えていた。