この項では、サッカーにおけるイングランドとスコットランドのライバル関係について、特にイングランド代表とスコットランド代表の関係について記述する。 国(地域)代表における世界最古の国際親善試合は、1872年にグラスゴーで行われたイングランド代表対スコットランド代表の試合である。両国のライバル意識の形成にはブリテン島の歴史が大きく関係しており、1世紀に渡る対抗意識の社会的・文化的影響、また両国の対立が、両者の対戦に激烈な性格を与えた。スコットランドのナショナリズムもまた、スコットランド人のイングランド撃破に対する欲求の要因となっており、スコットランドのスポーツジャーナリストは伝統的にイングランドのことを「積年のライバル」(Auld Enemy)と表現する。しかし、両者のライバル意識は1970年代に低下し、特に毎年行われていた定期戦が終了した1989年以降はライバル意識の薄れが顕著である。イングランドはドイツ代表やアルゼンチン代表にもライバル意識を抱いており、今日では歴史的なライバルであるスコットランドよりも彼らの方が重要なライバルとされている。BBCは、「初めての対戦が行われて以来、全ての試合が良い試合であり、また悪い試合でもある」と指摘している。ガーディアン紙はかつて「非常に多くの選手・監督が両国国境を通過しているため、この対戦は『ライバルからの深遠なる勝利の可能性』を象徴している」と報じた。2008年11月までに110回の対戦が行われており、イングランドが45勝、スコットランドが41勝、引き分けが24試合である。