11
01月

徒花 ADABANA(1/11~1/24)

2025adabana.jpg
私が生きるために、私を殺す。という選択。

監督・脚本
 甲斐さやか
出演
 井浦新
 水原希子
 三浦透子
 甲田益也子
 板谷由夏
 原日出子
 斉藤由貴
 永瀬正敏
製作:
 2024年製作/94分/G/日本
配給:
 ナカチカピクチャーズ

2025adabana-1.jpg

あなたの腐った命は、あなたの新鮮な命と、取り替えてください。

裕福な家庭で育った新次は、妻との間に一人娘も生まれ、周りから見れば誰もが望むような理想的な家族を築いていた。しかし、死の危険も伴うような病気にむしばまれ、とある病院で療養している。
手術を前にした新次には、臨床心理士のまほろが心理状態を常にケアしていた。しかし毎日眠れず、食欲も湧かず、不安に苛まれている新次。まほろから「普段、ためこんでいたことを話すと、手術に良い結果をもたらす」と言われ、過去の記憶を辿る。そこで新次は、海辺で知り合った謎の「海の女」の記憶や、幼い頃の母親からの「強くなりなさい、そうすれば守られるから」と言われた記憶を呼び起こすのだった。

2025adabana-3.jpg

ヒトのクローンは、遠い未来の話ではなく、あしたのあなたの、お話。

少年失踪事件を題材にした映画『赤い雪 Red Snow』で2019年鮮烈な長編監督デビューを果たし、第14回JAJFF(Los Angeles Japan Film Festival)最優秀作品賞を受賞するなど国内外問わず注目を集めている甲斐さやか監督。彼女の5年ぶりとなる待望の長編第二作は、死が近づいている新次と、臨床心理士のまほろ、そして治療のために人間へ提供される「それ」との物語だ。

主人公の新次を演じるのは、今最も映像界に欠かせない俳優・井浦 新。この映画の構想を聞いたときには「今まで観たこともないような表現の在り方に挑んでいかないといけない」と感じたという。まほろ役には俳優、モデル、また自身のブランドも手掛け、世界で活躍する水原希子。更に、謎めいた「海の女」役には、世界各国で数多くの賞を受賞した映画『ドライブ・マイ・カー』で注目を浴びた三浦透子。また新次の母親役として、デビュー以来、唯一無二の存在感で演じ続けている斉藤由貴。そして国内外問わず映画業界、更にはカメラマンとしても活躍する永瀬正敏。映画界の「現在(いま)」を感じさせる俳優が甲斐監督の元に集結した。

本作の編集には『落下の解剖学』(23)で第96回アカデミー賞編集賞にノミネートされたロラン・セネシャルと『ドライブ・マイ・カー』(21)編集担当の山崎梓が担当。第一線で活躍するスタッフがタッグを組み、美しい化学反応が本作に解き放たれる。

タイトルの『徒花』とは、「無駄な花」を意味するが、そこにこめられた美学と生命の価値とは。甲斐監督は、ここではないどこかの物語を描くことで、今ここにある「怖さ」を突きつける。

2025adabana-2.jpg
(C)2024「徒花 ADABANA」製作委員会 / DISSIDENZ

関連記事

0 Comments

Leave a comment