4/12(土)~
うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生

©かわうそ商会
2024年/82分/日本/配給:パンドラ
監督・撮影:中村結美
プロデューサー:正岡裕之
編集:山内洋子
音響効果:金田智子
出演:織本順吉、中村矩子
イベント情報
4/12(土)・13(日)上映後、中村結美監督の舞台挨拶がございます。
名脇役が最後に演じたのは“自分自身”か
撮る者 vs 撮られる者、それが最期の対話だった──
脇役一筋70年、死の直前まで現役を貫き、92歳で亡くなった俳優・織本順吉。2000本以上ものTVドラマ・映画に出演し、地味だが情感あふれる脇役を演じ続けた織本。だがその裏では、家族と共に生きられない一面があった。その父へ、復讐心からカメラを向けた娘。老いて、体の自由が効かなくなり、セリフ覚えが覚束なくなり、感情を抑えることができず、家族相手に子どものように泣きわめく…。そんな晩年の父を、娘の視点で赤裸々に撮り続けた4年間…。それはカメラを挟んだ格闘であり、カメラを挟むことでようやく向き合えた父と娘の記録でもあった。そして続けるうち、自らの業をさらけ出しているのは、撮られる父か、撮り続ける娘か、わからなくなっていった。「老いるとは何か? 家族とは何か? 生を全うするとは何か?」誰もが抱えるこの命題に、父の死を通して向き合う…これは家族のドキュメンタリーである。
「私は老いを認めない織本にそれを突き付けようと撮影を始めた」
本作は、織本の娘・中村結美が2015年夏からの4年間、織本順吉に公私にわたり密着し、ホームビデオで織本の「素」の姿を明らかにしようとした記録である。カメラが収めるのは、糖尿病を患うも、食後血糖値を測るのを怠ったこと指摘され激高する姿、セリフ間違いにより10回もNGを出す姿、家族に「もう車の運転はやめてほしい」と言われまたしても激高する姿、長い役者人生における初めての降板、そして俳優人生初の「空白」……カメラは容赦なく、公私に渡り織本の“老い”を晒し出す。そしてまた、娘・中村が父に対して果敢に挑む様子がヒリヒリと映し出される。なぜ織本は、みじめな姿をカメラにさらし続けるのか?これも“演じて”いるのだろうか?そしてカメラは、織本の最期の瞬間を映し出す─。



上映日時
4/12(土)~4/25(金) |
10:00-11:30 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |
4/12(土)~1週間限定
いきもののきろく

©︎シネマスコーレ/ドッグシュガー
2014年/日本/モノクロ/47分/配給:ドッグシュガー
監督・脚本:井上淳一
原案:永瀬正敏
音楽:PANTA
主題歌:「時代はサーカスの象にのって」(作詞:寺山修司・高取英/作曲:PANTA)
企画プロデュース:木全純治
プロデューサー:片嶋一貴
撮影:鍋島淳裕
編集:細野優理子
出演:永瀬正敏、ミズモトカナコ
イベント情報
4/12(土)上映後、菊池琢己さんのミニライブ、ミズモトカナコさん、井上淳一監督の舞台挨拶がございます。
ミズモトカナコさん
菊池琢己さん プロフィール
1960年12月16日、横浜市出身
1980年 ロミオ(ポリドール)でギタリストとしてデビュー
1981年 WELCOME(ビクター)でボーカル&ギターとして活動を開始
1986年 頭脳警察のPANTAのバンドに加入。アルバム「クリスタルナハト」レコーディング
以後、PANTAとはソロバンド、響(PANTA&TAKUMI)、陽炎、頭脳警察で活動を共にする
並行して、松村雄基、KATSUMI、松下里美、大木彩乃、hitomi、倖田來未、織田裕二、高橋克典、小野正利などのライブサポート、アレンジ、レコーディング、プロデュース、フジテレビ「ミュージックフェア」のハウスバンドH.T.M.Sに所属
五輪真弓、矢野顕子、谷村新司、松田聖子、徳永英明、石井竜也らと共演
TENSAWのボーカルのセーボーとの「Saybow & the R+X+S」、フラワートラベリンバンドの石間秀機との「石間秀機 VIEW next page」などのバンドで活動
また2024年からあがた森魚と活動を共にする
「瓦礫、瓦礫って言うけど、みんな、生活の一部だったんだ」
原案 永瀬正敏が贈る“喪失と再生の物語”
人っ子一人いない廃墟のような街で男は運河に流れ着いたゴミを拾い集める。そこに現れる女。男の日常に微かにひびが入り始める。
『戦争と一人の女』の舞台挨拶で監督の井上淳一とシネマスコーレを訪れた永瀬正敏は、支配人の木全純治よりとある企画の監督依頼を受ける。それは名古屋市内を流れる中川運河という今はもう使われていない運河を舞台とした短篇映画だった。すぐに訪れたロケハンで、永瀬は映画の舞台となる鉄屑工場と出会い、シャッターを切りまくる。その二日後、井上のもとに永瀬から一本のプロットが届く。それは、誰もいない街の廃工場でひとり筏を作り続ける男の話だった。そこにひとりの女が訪れる――。井上は永瀬のプロットに、東日本大震災後のイメージをプラスし、脚本を執筆。原発事故後の誰もいなくなった世界に取り残されたような男と女の話を作り上げた。
女を演じるのは、『福田村事件』のミズモトカナコ。当時、まだ京都造形大学の学生だったミズモトは永瀬相手に一歩も引けを取らない堂々たる演技を見せている。撮影は、『極悪女王』の鍋島淳裕。過去とも未来ともつかない世紀末的風景をモノクロ映像で見事に捉えている。プロデュースは木全純治。これは『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』コンビの初タッグでもある。そして主題歌は、2023年に亡くなった「頭脳警察」のPANTA。寺山修司と高取英による詩にPANTAが曲をつけた「時代はサーカスの象にのって」がせつなく流れる。
本作は2013年に撮影。当時は47分の短篇を上映する環境になく、翌14年にシネマスコーレのみで公開。24年、井上の師である若松孝二13回忌イベントで上映。そこでの絶讃を受け、ついに全国公開となる。幻の傑作が今ここに蘇る。



上映日時
4/12(土) | 4/13(日) | 4/14(月)~4/18(金) |
15:10-15:57 | 15:30-16:20 | 15:05-16:00 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1300 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1200 | ¥1200 | ¥800 |
4/12(土)~1週間限定
70/80年代 フランシス・F・コッポラ 特集上映-終わりなき再編集-

70/80年代 フランシス・F・コッポラ 特集上映-終わりなき再編集-
『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』で映画史に燦然と その名を刻むフランシス・フォード・コッポラ
4/12(土)―4/18(金)
70/80年代 フランシス・F・コッポラ 特集上映-終わりなき再編集-
『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』で映画史に燦然と その名を刻むフランシス・フォード・コッポラ
4/12(土)―4/18(金)
二度のアカデミー作品賞・パルムドールを受賞。
その傍ら、スタジオ倒産危機、幾度の自己破産、終わらない再編集……
我々はまだ、彼を超える映画監督に出逢えていない。
構想期間40年、キャリアラストの噂も飛び交い公開が待ち焦がれる最新作『メガロポリス』もカンヌ上映直後から賛否両論の意見が聞こえるが、思えば彼はいつも“逆境”に立ちながら、彼自身が求める“映画”を孤独に作り上げてきた。今やそれを無くして映画史は語れない不動の傑作『地獄の黙示録』も撮影現場トラブルの数々、延び続ける撮影日数、無慈悲に嵩み続ける製作費……結果的に興行的に成功を収めたものの、その次作『ワン・フロム・ザ・ハート』では前作の成功を自ら食い潰し、スタジオ閉鎖という悲惨な結果を招く。
“再編集”を何度も監督自ら手がけ、2023年に未公開映像を含めて大胆に生まれ変わった『ワン・フロム・ザ・ハート リプライズ ‐4Kレストア版‐』、劇場公開版からより原作小説に近づけたディレクターズ・カットに“最高のクオリティ”を自ら求め監修も行った『アウトサイダー コンプリート・ノベル ‐4Kレストア版‐』、そしてプロデューサーであるコッポラと監督であるヴェンダース、二人の確執をおさめた『リヴァース・アングル:ニューヨークからの手紙』(ヴェンダース監督『ハメット』の撮影裏であり、『ハメット』と併映)、またパルムドールを受賞し、作品賞を含むアカデミー賞3部門ノミネート(同年の作品賞は『ゴッドファーザー PART II』が受賞)のコッポラの隠れた名作『カンバセーション…盗聴… ‐4Kレストア版‐』がラインナップ。コッポラ監督作品はすべて“完璧”を求めて作り直された4Kレストア版の“新作”となっている。
公式ホームページhttps://coppola-reprise2024.com/
提供 JAIHO 配給 Gucchi’s Free School
入場料 当日一般1,800円/会員1,500円/大専・シニア1,200円/高校生以下800円
入場者プレゼント
対象の作品をご覧のお客様に特典チラシをプレゼント!
左:対象作品『カンバセーション…盗聴… -4Kレストア版-』
『ハメット』
右:対象作品『ワン・フロム・ザ・ハート リプライズ -4Kレストア版-』
『アウトサイダー コンプリート・ノベル -4Kレストア版-』
※数量限定、無くなり次第終了です。
上映スケジュール
4/12(土) | 4/13(日) | 4/14(月) | 4/15(火) | 4/16(水) | 4/17(木) | 4/18(金) |
![]() カンバセーション…盗聴… |
![]() ワン・フロム・ザ・ハート リプライズ |
![]() アウトサイダー コンプリート・ノベル |
![]() ハメット+リヴァース・アングル |
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作品紹介
ワン・フロム・ザ・ハート リプライズ -4Kレストア版-

© 1982 Zoetrope Studios
1982年/アメリカ/93分
原題:One From the Heart
監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:アーミアン・バーンスタイン、フランシス・フォード・コッポラ
出演:フレデリック・フォレスト、テリー・ガー、ナスターシャ・キンスキー
独立記念日を間近に控えたラスベガスの街。フラニーとハンクは交際5周年記念を迎えようとしていた。旅行社に勤めるフラニーは、ボラボラ島行きの航空券を、ハンクは家の権利書をプレゼントするが、些細なことから口論が発展し、フラニーは家を出ていくことに。お互いがお互いをどこかで思いながら行きずりに出会った相手と刹那的な恋に落ちていく……。
アウトサイダー コンプリート・ノベル -4Kレストア版-

© 2005 / ZO ETROPE CORPORATION – Tous Droits Réservés
1983年/アメリカ/114分
原題:The Outsiders
監督:フランシス・フォード・コッポラ
原作:S・E・ヒントン
出演:C・トーマス・ハウエル、マット・ディロン、ラルフ・マッチオ
オクラホマ州タルサ。14歳のポニーボーイは東側に住むグリースと呼ばれる貧民階級のワルたちとつるんでいる。西側にはソッシュと呼ばれる金持ちたちが住んでいて、彼らが遭遇すればいつも喧嘩が勃発。ポニーボーイは、2歳上のジョニー、リーダー格のダラスと行動していた。その夜もいつもの喧嘩のはずであった……。
カンバセーション…盗聴… -4Kレストア版-

© 1974 Paramount Pictures C orporation
1974年/アメリカ/113分
原題:THE CONVERSATION
監督・製作・脚本:フランシス・フォード・コッポラ
共同製作:フレッド・ルース
出演:ジーン・ハックマン、ジョン・カザール、アレン・ガーフィルド
人混みに呑まれながら、逢瀬を重ねている男女の盗聴。この道に長いハリーに任せれば、難しいことはなく、この日もいつもと変わらぬ仕事のはずであった。完璧主義のハリーは、一部、彼らの会話が聞き取れないことに気づき、その内容を聞き取ろうとしている内に、何か違和感に気づき始める……。音声はハリーを裏切ることはないのか?妄想か現実かが入り混じる、ネオ・ノワール・スリラー!!
ハメット

© 1982 Zoetrope Studios
1982年/アメリカ/97分
原題:HAMMETT
監督:ヴィム・ヴェンダース
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ
出演:フレデリック・フォレスト、マリル・ヘナー、ピーター・ボイル
探偵小説をタイプし終えたハメットのもとに、探偵社時代の仲間が訪ねてくる。消えた中国娘を探す彼に頼まれチャイナタウンを案内するハメットだったが、やがて巨大な陰謀に巻き込まれていく……!!ミステリ作家ダシール・ハメット彼自身の人生と、彼の小説世界が重なりあう、現実とフィクションの狭間へようこそ。
併映『リヴァース・アングル:ニューヨークからの⼿紙』

© 2015 Wim Wenders Stiftung
1982年/西ドイツ/18分
原題:REVERSE ANGLE/Reverse Angle: Ein Brief aus New York
監督・製作:ヴィム・ヴェンダース
1982年3月にニューヨークで撮影された。フランスのテレビ向けに制作され、ヴェンダースが今後数年にわたって制作する予定だった一連の「日記映画」の試作となる。ヴェンダースにとって初のアメリカ映画『ハメット』制作中の日々を描き、製作者であるフランシス・フォード・コッポラも登場。
4/4(金)~
天国の日々 4K

© 2025, 1978 BY PARAMOUNT PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.
1978年/94分/アメリカ/配給:アンプラグド
原題:Days of heaven
監督・脚本:テレンス・マリック
製作:バート・シュナイダー、ハロルド・シュナイダー
撮影:ネストール・アルメンドロス、ハスケル・ウェクスラー
美術:ジャック・フィクス
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:リチャード・ギア、ブルック・アダムス、リンダ・マンズ、サム・シェパード、ロバート・J・ウィルク、ステュアート・マーゴリン
入場者プレゼント
4/18(金)より、ご来場のお客様にイナゴ襲来チラシをプレゼント!
※数量限定、無くなり次第終了です。
“最も美しい映画の一つ”が4Kレストア化
47年の時を経て、本来の姿で蘇る
20世紀初頭のテキサスの壮大な農場を舞台に、人間の弱さともろさを美しい映像で描く。第32回カンヌ国際映画祭で監督賞、さらに第51回アカデミー賞では撮影賞を受賞するなど、公開当初から世界中で高く評価され続けている珠玉の名作。日本では、約5年後の1983年に劇場公開された。このたび本作は、テレンス・マリック監督監修のもと4Kレストア化。
監督は、『バッドランズ(地獄の逃避行)』(73)で初メガホンをとり、『シン・レッド・ライン』(98)や『ツリー・オブ・ライフ』(11)などで数々の賞を受賞し続けているテレンス・マリック監督。この作品に全てを注いだマリック監督は、次回作の『シン・レッド・ライン』までの20年間、1本も映画を撮らなかったことは、長年にわたり映画界の伝説として語られている。
本編の夕暮れ時のシーンは全て、“マジック・アワー”と呼ばれる、1日にわずか20分しかない日没間近の柔らかい光の中で撮られ、本編のほとんどをこの時間に費やすという極めて異例の方法で撮影された。手がけたのはエリック・ロメール監督作品に多数参画し、フランソワ・トリュフォーらヌーヴェル・ヴァーグの作品でも撮影監督をつとめたネストール・アルメンドロス。
この2人の狙い通り、絵画のような非常に美しい画作りに成功したが、その極度なこだわりのため、スケジュールや予算は大幅に超過。プロデューサーのバート・シュナイダーは自宅を抵当に入れたという。アルメンドロスは、次回作が控えていたため、ハスケル・ウェクスラーに撮影監督を引き継ぎ完成させた執念の一作となった。



上映日時
4/4(金) | 4/5(土)~4/11(金) | 4/12(土)、4/13(日) | 4/14(月)~4/18(金) | 4/19(土)、4/20(日) | 4/21(月)~4/25(金) |
12:00-13:40 | 11:30-13:05 | 16:30-18:05 | 16:10-17:50 | 18:50-20:25 | 18:20-20:00 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |
4/5(土)~
彼方の家族

©︎坂内映介 川崎たろう
2023年/日本/81分/配給:MAP
監督:川崎たろう、坂内映介
製作・脚本:坂内映介
音楽:小山和生
プロデューサー:大崎章、川崎たろう、坂内映介
撮影・照明:小倉和彦
音響:黄永昌
編集:川崎たろう
出演:相澤幸優、山内大翔、渡辺友貴、渡邊祐太、深谷和倫、早瀬瑠衣、下永正虎、木村知貴
イベント情報
【舞台挨拶・トークイベント】各日上映後
★4/5(土)川)17:00回上映後、川崎たろう監督、坂内映介監督、相澤幸優さん(出演)、渡辺友貴さん(出演)
★4/6(日)・8(火)17:00回上映後、川崎たろう監督、坂内映介監督、大崎章さん(プロデューサー)
★4/7(月)17:00回上映後、土屋トカチさん(映画監督)、川崎たろう監督、坂内映介監督、大崎章さん(プロデューサー)
★4/9(水)17:00回上映後、利重剛さん(俳優・映画監督)、川崎たろう監督、大崎章さん(プロデューサー)
★4/12(土)11:45回上映後、諏訪敦彦さん(映画監督)、大崎章さん(プロデューサー)
★4/16(水)11:40回上映後、牛丸亮さん(俳優・映画監督)、川崎たろう監督
★4/18(金)11:40回上映後、川崎たろう監督、大崎章さん(プロデューサー)
覚え続ける あの時のことを
東日本大震災から14年
“あの日”から生きてきた家族たちの物語
幼い頃に震災で父を亡くした奏多にとって父親は遠い存在であり、残された自分にできることは何なのか、わからないまま過ごしていた。そんな奏多が転校先の高校で、担任教師の息子・陸と出会う。奏多は陸の明るさに最初は戸惑っていたが、次第に距離が近づいていき、お互いに初めて父親に対する思いを打ち明け合うのだった。しかしある日、奏多が学校にいくとそこには陸はおらず・・・
本作は東日本大震災で父親を亡くし、現在も喪失感を抱えたまま生きる高校生・奏多と、父親との間に問題を抱える同級生・陸の交流を通し、あの日から現在まで続く震災の記憶と、再生を静かに描き出す物語。東北芸術工科大学に研究生として在籍していた坂内映介が自身の震災体験を元に脚本を執筆、同大学の卒業生である川崎たろうと共同でメガホンをとり、日常の機微を積み重ねた丁寧な演出で孤独を抱えたまま生きる高校生たちの心情を優しく、せつなさを込めて浮き彫りにした。また、『お盆の弟』『無限ファンデーション』などの大崎章がプロデューサーを務めている。
キャスティングは主演の奏多役・相澤幸優、山内大翔含め、東北地方でのオーディションで決定。バイプレイヤーとして『室井慎次 敗れざる者』など多くの映画に顔を見せる秋田出身の木村知貴も父親役として出演し、それぞれの役柄に血を通わせている。



上映日時
4/5(土)~4/11(金) | 4/12(土)、4/13(日) | 4/14(月)~4/18(金) |
17:00-18:25 | 11:45-13:15 | 11:40-13:05 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |
4/5(土)~
Underground アンダーグラウンド

©2024 trixta
2024年/83分/日本/製作:トリクスタ/共同製作:シネ・ヌーヴォ、ユーロスペース、ナゴヤキネマ・ノイ、札幌文化芸術交流センターSCARTS、豊中市立文化芸術センター/配給:ユーロスペース+スリーピン
監督:小田香
テクニカルディレクション・録音・グレーディング:長崎隼人
撮影:高野貴子
照明:平谷里紗、白鳥友輔
整音・サウンドデザイン:山﨑巌
音楽:細井美裕
プロデューサー:筒井龍平、杉原永純
出演:吉開菜央 松永光雄 松尾英雅
イベント情報
4/13(日)13:25回上映後、小田香監督の舞台挨拶がございます。
五感を研ぎ澄ませ 異空間にダイヴせよ
小田香が三たび、カメラを向けるのは日本の“地下世界”
漆黒の暗闇に横たわる歴史を凝視する ―
地下の暗闇から、蠢く怪物のように「シャドウ(影)」が姿を現す。シャドウ(影)はある女の姿を借りて、時代も場所も超えて旅を始める。滲み出す地下水に濡れる、地下鉄が走る音を聞き、戦争により多くの人々が命を失ったほら穴の中で死者達の声に耳を澄ませる。山奥の寺では、洞窟に続く、壁面に掘られた仏たちのために読経する僧侶の傍らに身を寄せる。そんな道行きの中、シャドウ(影)は、かつてそこで起きたことをトレースしていくようになり、ふと入った映画館で出くわした映像に導かれ、湖の底に沈んだ街に向かうのだったーー。
鬼才タル・ベーラの愛弟子、小田香が描き出す、
ドキュメンタリーを遥かに超えた異形の空間
『サタンタンゴ』『ニーチェの馬』で知られる映画作家タル・ベーラが後進の育成のために設立した映画学校【film.factory】で 3 年間学んだ後、卒業制作として作られた長編デビュー作『鉱 ARAGANE』(2015年)では、ボスニア・ヘルツェゴビナの炭鉱を、第1回大島渚賞を受賞した『セノーテ』(2019年)では、メキシコ、ユカタン半島北部に点在するセノーテと呼ばれる洞窟内の泉と、人類の視線が及ばない異形の地下世界を題材に制作を続けてきた小田香が、三たび、遂に日本の地下世界にカメラを向ける。小田自ら、「“地下世界”を描く作品としては節目となる作品」と語る最新作『Underground アンダーグラウンド』。小田は、3年かけて日本各地をリサーチし、その土地に宿る歴史と記憶を辿り、土地の人々の声に耳を傾け、これまでとは全く異なる撮影体制で、地下の暗闇を16mmフィルムに焼き付けていく。
その道行きには、米津玄師「Lemon」MVのダンスで鮮烈な印象を残し、映画『Shari』などの監督作でも知られる、映画作家・ダンサーの吉開菜央が、ある女の姿を借りた「シャドウ(影)」という存在を演じ、まるで歴史そのものであるかのような姿で随伴する。
鼓膜がうち震えるほどの爆音の音響設計と、時折、漆黒の暗闇に揺れる色とりどりの眩い光がドキュメンタリーという枠を遥かに超え、我々の既成概念をぶち破る力強さで疾走していく。その瞬間がまるで歴史になるかのように。



上映日時
4/5(土)~4/11(金) | 4/12(土) | 4/13(日)~4/18(金) |
18:55-20:20 | 13:35-15:00 | 13:25-14:55 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |