当時ロベルト・エンケの自殺には衝撃を受けました。
自殺当日の朝に家を出て高速鉄道に飛び込むまでの数時間、
街中で車を走らせていた彼の胸中を思い知ることはできません。
亡くなる前日、幼女に迎えていた幼い娘を抱きかかえ(その前年に彼は長女を生後1年で亡くしている)、
まるで鬱病が治ったかのようにように微笑むエンケの写真が生前最後のスナップとのこと。
もちろん本人が大変だったことは想像に難くないが、
最後まで彼を支え続けて一人残されたテレサ夫人が不憫でならない。
元バルセロナのフランク・デ・ブールを責める気にはならないし、
彼は優れたサッカー選手であったことは間違いない。
ただ、あの衝撃的な敗戦後、彼が自己保身に走らずプロ意識を徹底していれば、
その後に繋がる悲劇を防げたのではないかとどうしても思わずにはいられない。
（同時に、なぜ彼が監督としてサッパリなのかもなんとなく同時に分かったが）
とはいえエンケも、決して気が強いタイプではなく、内向的で、
また考え込んでしまう性格だったことは間違いない。
P・アンデションのように「言い返すべきだ」というタイプだったら…
色々な思いが錯綜しながらページを捲った。改めてエンケのご冥福をお祈り申し上げます。
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