『誰も座らない10席の席』 ガタガタ…清掃してイスを動かしてる音だ、、、。 あの少年との出会いは、僕の中の、静止してた、何かを、、、ガタガタ…動かしてるみたいだった。 今日も始まる…営業が…。 今日も誰も座らないから、、気持ちは楽だ。たった1人でいるカウンター。 ここからは、空は見えない…たまに思う、ここは…アンダーグラウンドなんじゃないかって…いつの間にか夜が来て… 人には欲があって それぞれ足りない何かを埋め合わせてる。 見られるのは、本当はあまり好きじゃない。って言うより、人前にでると恥ずかしくなる。 それは、子供の頃から。、顔を赤く… チャリンチャリン。。鈴の音が… 小さな言葉で、いつも遅れて…いらっしゃ…あっ⁈ ませ。。、、ま、、せ。 自分の目の前に…30歳ぐらいの1人の女性が座った。。 まぁ別に自分は話さない…ホールの人が注文をとりに行ってくれるから、、、でも、10席ある…カウンターに1人だけ座られると、気まずい空気が流れる。 頼んだ料理は、自分の担当じゃない料理ばかり…別にそれでいい 関わらなくてもその人がどんな人なのかなんて知らなくてもいい 関係ないことだから 僕は黙々と仕込みをする 『何も言わず、語らずに』 関与せずそっと流れる空気、、、その方が好きだったりする。 フルーティーな日本酒、お酒を呑みながら…しばらくして…その女性が…「料理も日本酒も美味しいですね」って…あっはい…ありがとうございます… 自分作ってないけどって思った矢先に…ほんの少し泣いてた。。 料理を食べて泣く人はあまり知らない。いや初めて見た。 わたし、、『1人なんです』 あっ、、1人ですか、、そう、、ですね。。残り9席空いてますね。。 その女性は…ふふって少し笑った。 違います。 あっ違いますか？ 『うち両親いないの』 えっ…これ以上…何を話せば良いかわからなかった、、 『辛くなかったですか』 辛いよ…本当に辛いよ…病気で亡くなったと言ってました。 これ以上…分かってる。 一歩引く事の大切さ。 何も問わず、語らずに…誰も座らない10席の席のまま、堰をきらないように… 「そのままでいいんだ」 分かろうとしても、わかるわけないって言われたりするんだ。 じゃ、これ以上は…傷つけたくない…辛い思いなんてしてほしくない。 でも、次のその女性の言葉に、衝撃を覚えました⁈⁈⁈ なんで、私だけ…こうなんだろう。 「楽しいことや、幸せなことより、辛い方が多い」…。 お母さんが言ってた、、辛い時こそ希望を見いだしてって、無理に決まってんじゃん。 今、悲しい時に希望をどうとか、どうかしてるでしょ…気が狂えって…バカでしょ 近くにいるから、希望だったのに ねぇ、生きること辛いよ…折れかけちゃうよ わかっていてくれる人がいないって辛いんだよ。 辛い気持ちが凄い伝わってくる。 僕だって…あぁ無理だって…もう無理だって 正直何回かあるのに…。 情けない顔だってするし この女性は、、、自分よりも…無理な状況なんじゃ…てか、辛いし、親がいるのが当たり前になってた。。 でも、今の僕には… 気づいたからには、そこに傷いたなら、関係ないわけがない。 僕には、助けるなんて、そんなかっこいい事はできない。助け方もわからない…ただ… あの、、、「居たいですか」 胸が痛いならここに座って居てもいいです。 辛いなら居てください。 ただ、何も考えずに居てください。 それと僕も生きます。 えっどういうこと僕も生きるって？ あっなんでもないです…なんでも… その女性は、ありがとうって…私は1人だったから… その少しあとに聞こえた えっ⁈ その言葉が凄い響いたのは覚えてる その言葉は当たり前なのかもしれない…でもその言葉は… 僕はそうだねって あっ⁈ 焼き鳥食べますか？ それともおでん？ せり鍋でも良いよ‼︎ サービスします笑笑 プチ盛り合わせ‼︎(大) どっちなの…ｸｽｸｽ 　　　　　　　　　　…to be continued いつもありがとうございます。 世間がコロナになる前に、僕が出会った、弱さも見せながらも、辛いと言いながらも自分の運命と向き合ってる女性に会いました。 そこに強さを感じました。 今は、彼氏と同棲してるって、言ってたっな。 もう1人じゃないよ‼︎1人で来たかもしれな いけど、もう1人じゃないよ‼︎ 苦しい時に味方で居てくれる。 あの時、君は言ったよね。 2人だね。