2019年3月6日 会場レポート
店舗・施設の空間デザイン・ディスプレーに関連する最新の製品・素材、情報等を紹介。他と差別化を図り、人を引きつける空間創出のためのソリューションが見つかる日本最大級の店舗総合見本市。2020年を目前に控え、4000万人とも見込まれる訪日外国人旅行者が快適に過ごせる環境と、リピーター増加に不可欠な満足度の高い体験創出に役立つソリューションが集結した。
実際に展示会場を巡ったレポーターが、製品を体験したり、説明を聞いたりしたブースを紹介。
【秀光】
家具の製造販売を営む秀光が、デザイナーLuigi Mascheroni(ルイージ・マスケローニ)氏と共に新ブランド『GiGi(ジジ)』を立ち上げた。家具が持つべき機能性と洗練されたデザインが美しく融合した収納家具を提案している。ミラノサローネに先駆け、今回が世界初展示だ。
ガラス張りのショーケースには照明が組み込まれており、光と透明性を鍵として空間を広く、そして美しく魅せるための工夫が細部まで凝らされている。
服の1着1着を大切にし、ディスプレイに自分だけのストーリーを表現するイタリア人ならではの上質な雰囲気。パーツは全てカスタマイズが可能で、見た目の美しさはもちろん、ライフスタイルに適合したシーンを演出することができる。
【盛光SCM】
照明器具の製造企業である盛光SCMが展示するのは『PLATREE(プレートリー)』という、植物の緑とLEDの光が調和した新しい形の照明だ。
「自然を空間に取り入れる」をコンセプトに、ふんわりとした照明と植物を組み合わせることで、室内空間で木漏れ日を演出する。花結い師 TAKAYA氏とのコラボレーションにより緑とLEDの光が見事に融合を果たしたブースとなった。
水紋を表現する丸みのあるプレートは「ヘラ絞り」と呼ばれる同社が得意とする技術によるもの。自由に組み合わせることによって様々な空間デザインが可能となる。
会場ではTAKAYA氏のパフォーマンスが行われ、多くの観衆で賑わった。
【EPSON販売】
EPSON販売の今回のテーマは「和」。同社の技術によるプロジェクションマッピングで、日本旅館をイメージした庭園から玄関、ロビーまでを鮮やかに表現する。
スタッフも旅館のロゴが入った法被を着用。
時間の流れや四季を表現した風情のある映像は、床や壁、立体物など様々な場所に投影され、まるで実際に旅館に足を踏み入れたかのような空間演出となっている。
中でも話題になっているのが、お手洗いでのプロジェクションマッピングだ。どんな時、どんな場所でも楽しんでもらいたいという、おもてなしの精神あふれる"日本らしい"演出である。
EPSONのプロジェクターは3LCD方式の採用により鮮やかな色彩再現が可能で、投影された映像を写真で撮っても綺麗に写るため、他者との思い出共有などにも重宝されそうだ。
【LABOT】
商業施設の設備商材の製作・提案を行うLABOT(ラボット)が今回出展するのは、手荷物が背もたれに収まる椅子『BAG-IN CHAIR』だ。
"あったらいいなをカタチにする"を理念に掲げる同社が、クライアントとの日常的なコミュニケーションの中からヒントを得て開発した椅子。背もたれと台座の間に隙間を設けることで、置き場に困っていた手荷物が収まる場所が生まれた。
同じく置き場に困りがちな傘もスマートに収納することが可能。さらに背もたれが少し前傾姿勢にデザインされているため、荷物を置いている状態で体を預けても違和感はなく、機能性と使用感を徹底して追求した造形にデザイナーのこだわりが感じられる。
すでにいくつかのレストランや商業施設で導入され始めており、飲食店で頻繁に見かけるようになるになるのも、そう遠くないはず。そんなアイデア商品を実際に会場で見てほしい。
【荒川技研工業】
荒川技研工業は、展示物などを固定するワイヤーの調整器具メーカーだ。JAPAN SHOPとの関係は古く、初期から毎回斬新なブースで来場者を驚かせてきた。今年は出展40周年を記念して「ARAKAWA GRIP MUSEUM」を公開。過去の展示写真が一堂に会した。
海外の有名美術館に導入されるほどの信頼を誇る『アラカワグリップ』は、全て自社生産の日本製。組み立ては手作業で丁寧に行われる。
「ワイヤーがシンプルだからこそ、デザイン次第で様々な表現ができることを多くの人に知ってもらいたい。だから今回のような展示形式を採用しました」と話すのは代表の荒川創氏。
目印は、ワイヤーと間接照明による装飾が美しい外壁。すぐに見つかるはずだ。
(※会場レポートをpdfでご覧になる場合はこちら)