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1970年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1970年アメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
ボルチモア・オリオールズ 3
ミネソタ・ツインズ 0
シリーズ情報
試合日程 10月3日–5日
観客動員 3試合合計:8万1945人
1試合平均:2万7315人
殿堂表彰者 アール・ウィーバー(BAL監督)
ジム・パーマー(BAL投手)
ブルックス・ロビンソン(BAL内野手)
フランク・ロビンソン(BAL外野手)
バート・ブライレブン(MIN投手)
ロッド・カルー(MIN内野手)
ジム・カート(MIN投手)
ハーモン・キルブルー(MIN内野手)
トニー・オリバ(MIN外野手)
チーム情報
ボルチモア・オリオールズ(BAL)
シリーズ出場 2年連続2回目
GM ハリー・ダルトン
監督 アール・ウィーバー
シーズン成績 108勝54敗・勝率.667
東地区優勝

ミネソタ・ツインズ(MIN)
シリーズ出場 2年連続2回目
GM カルビン・グリフィス
監督 ビル・リグニー
シーズン成績 098勝64敗・勝率.605
西地区優勝

 < 1969
ALCS
1970

1971 > 

 < 1969
NLCS
1970

1971 > 
ワールドシリーズ

1970年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月3日に開幕した。アメリカンリーグの第2回リーグチャンピオンシップシリーズ英語: 2nd American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から5日にかけて計3試合が開催された。その結果、ボルチモア・オリオールズ東地区)がミネソタ・ツインズ西地区)を3勝0敗で下し、2年連続4回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

レギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、ツインズが7勝5敗と勝ち越している[1]。しかし今シリーズは、同じ顔合わせだった前年と同様に、オリオールズが初戦から3連勝のいわゆる "スウィープ" で突破した。ポストシーズンのスウィープ史上、全試合で点差が4点以上開いていたのは今シリーズが初めて[2]。オリオールズ先発投手マイク・クェイヤーは、初戦の4回表に打席で満塁本塁打を放った。投手による満塁本塁打はポストシーズン史上初である[3]。このあとオリオールズは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者シンシナティ・レッズを4勝1敗で下し、4年ぶり2度目の優勝を成し遂げた。

今シリーズでは、MLB審判員労働組合がポストシーズン出場給の増額を求め、初戦限定のストライキを決行したため、その日だけは引退した元審判員やマイナーリーグの審判員らが出場した。第2戦以降は通常の審判員が業務に戻り、労使交渉は7日に妥結した[4]

試合結果

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1970年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月3日に開幕し、3日間で3試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月03日(土) 第1戦 ボルチモア・オリオールズ 10-6 ミネソタ・ツインズ メトロポリタン・スタジアム
10月04日(日) 第2戦 ボルチモア・オリオールズ 11-3 ミネソタ・ツインズ
10月05日(月) 第3戦 ミネソタ・ツインズ 1-6 ボルチモア・オリオールズ メモリアル・スタジアム
優勝:ボルチモア・オリオールズ(3勝0敗 / 2年連続4度目)

第1戦 10月3日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
4回表、オリオールズの先発投手マイク・クェイヤーが打席で満塁本塁打を放ち自らを援護(27秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ボルチモア・オリオールズ 0 2 0 7 0 1 0 0 0 10 13 0
ミネソタ・ツインズ 1 1 0 1 3 0 0 0 0 6 11 2
  1. 勝利ディック・ホール(1勝)  
  2. 敗戦ジム・ペリー(1敗)  
  3. 本塁打
    BAL:マイク・クェイヤー1号満塁ドン・ビュフォード1号ソロ、ブーグ・パウエル1号ソロ
    MIN:ハーモン・キルブルー1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ジョニー・スティーブンス
    [塁審]一塁: ビル・ディーガン、二塁: ダロルド・サチェル、三塁: チャーリー・ベリー
  5. 昼間試合 試合時間: 2時間36分 観客: 2万6847人 気温: 57°F(13.9°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ボルチモア・オリオールズ ミネソタ・ツインズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・ビュフォード 1 C・トーバー
2 P・ブレアー 2 L・カルデナス
3 B・パウエル 3 H・キルブルー
4 F・ロビンソン 4 T・オリバ
5 E・ヘンドリックス 5 B・アリエイ
6 B・ロビンソン 6 R・リース
7 D・ジョンソン 7 G・ミッターワルド
8 M・ベランガー 8 D・トンプソン
9 M・クェイヤー 9 J・ペリー
先発投手 投球 先発投手 投球
M・クェイヤー J・ペリー

第2戦 10月4日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ボルチモア・オリオールズ 1 0 2 1 0 0 0 0 7 11 13 0
ミネソタ・ツインズ 0 0 0 3 0 0 0 0 0 3 6 2
  1. 勝利デーブ・マクナリー(勝)  
  2. 敗戦トム・ホール(1敗)  
  3. 本塁打
    BAL:フランク・ロビンソン1号2ラン、デービー・ジョンソン1号3ラン
    MIN:ハーモン・キルブルー2号2ラン、トニー・オリバ1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ビル・ハラー
    [塁審]一塁: ジム・オドム、二塁: ジェリー・ニューデッカー、三塁: ジム・ホノチック
    [外審]左翼: マーティー・スプリングステッド、右翼: ラス・ゲーツ
  5. 昼間試合 試合時間: 2時間59分 観客: 2万7490人 気温: 73°F(22.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ボルチモア・オリオールズ ミネソタ・ツインズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 M・ベランガー 1 C・トーバー
2 P・ブレアー 2 L・カルデナス
3 F・ロビンソン 3 H・キルブルー
4 B・パウエル 4 T・オリバ
5 M・レッテンマンド 5 B・アリエイ
6 B・ロビンソン 6 G・ミッターワルド
7 D・ジョンソン 7 R・レニック
8 A・エチェバレン 8 D・トンプソン
9 D・マクナリー 9 T・ホール
先発投手 投球 先発投手 投球
D・マクナリー T・ホール

第3戦 10月5日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ミネソタ・ツインズ 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 7 2
ボルチモア・オリオールズ 1 1 3 0 0 0 1 0 X 6 10 0
  1. 勝利ジム・パーマー(1勝)  
  2. 敗戦ジム・カート(1敗)  
  3. 本塁打
    BAL:デービー・ジョンソン2号ソロ
  4. 審判
    [球審]ジム・オドム
    [塁審]一塁: ジェリー・ニューデッカー、二塁: マーティー・スプリングステッド、三塁: ジム・ホノチック
    [外審]左翼: ラス・ゲーツ、右翼: ビル・ハラー
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後1時10分 試合時間: 2時間20分 観客: 2万7608人 気温: 66°F(18.9°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ミネソタ・ツインズ ボルチモア・オリオールズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・トーバー 1 D・ビュフォード
2 L・カルデナス 2 P・ブレアー
3 T・オリバ 3 F・ロビンソン
4 H・キルブルー 4 B・パウエル
5 J・ホルト 5 B・ロビンソン
6 P・ラトリフ 6 D・ジョンソン
7 R・リース 7 A・エチェバレン
8 D・トンプソン 8 M・ベランガー
9 J・カート 9 J・パーマー
先発投手 投球 先発投手 投球
J・カート J・パーマー

評価

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ハードボール・タイムズ』のクリス・ジャフは2012年10月、歴代のポストシーズン各シリーズのうち、優勝球団が初戦から全勝する "スウィープ" のシリーズを対象に「敗退球団がリードしたイニング数が10以上なら0ポイント、5以上10未満なら2ポイント、……全くなければ25ポイント」「1試合平均の得点差が2未満なら0ポイント、2以上2.5未満なら1ポイント、……3以上3.5未満なら5ポイント、以降は0.5点ごとに2ポイントずつ加算」などの条件を設定し、つまらなさを算出した。その結果、今シリーズは58ポイントを獲得し、同年の両リーグ優勝決定戦まで計67度のスウィープ中2位タイとなった[注 1][2]

脚注

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注釈

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  1. ^ 1位は1989年のワールドシリーズで67ポイント。58ポイントで今シリーズと並んだのは、1981年のアメリカンリーグ優勝決定戦である。

出典

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  1. ^ "1970 Minnesota Twins Schedule," Baseball-Reference.com. 2020年11月22日閲覧。
  2. ^ a b Chris Jaffe, "The 10 worst postseason sweeps ever," The Hardball Times, October 22, 2012. 2021年2月7日閲覧。
  3. ^ Bill Stetka, "50 Years Later, Orioles' 1970 Title Remains Special," MLB.com, September 18, 2020. 2020年11月22日閲覧。
  4. ^ Larry Granillo, "Wezen-Ball: Replacement Umpires," Baseball Prospectus, October 5, 2011. 2020年11月22日閲覧。

外部リンク

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