「羊膜」の版間の差分
表示
削除された内容 追加された内容
BlitzTornado (会話 | 投稿記録) 編集の要約なし |
m Bot作業依頼#Cite webテンプレートのdeadlink、deadlinkdate引数の移行 |
||
(10人の利用者による、間の12版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
{{単一の出典|date=2013年2月17日 (日) 03:57 (UTC)}} |
{{単一の出典|date=2013年2月17日 (日) 03:57 (UTC)}} |
||
[[Image:Gray14.png|thumb|300px |
[[Image:Gray14.png|thumb|300px]] |
||
[[Image:Gray30.png|thumb|300px|羊膜に包まれているヒト胎児]] |
[[Image:Gray30.png|thumb|300px|羊膜に包まれているヒト胎児]] |
||
'''羊膜'''(ようまく、{{lang-en-short|amnion}})は、[[脊椎動物]]の[[爬虫類]]、[[鳥類]]、[[哺乳類]]の動物の[[発生]]の過程において形成される胎子と[[羊水]]を包む[[胚膜]]のひとつ。[[漿膜]]と共に胎児を包むが、直接に胎児を包むのがこちらである。[[外胚葉]]を起源とする。 |
'''羊膜'''(ようまく、{{lang-en-short|amnion}})は、[[脊椎動物]]の[[爬虫類]]、[[鳥類]]、[[哺乳類]]の動物の[[発生]]の過程において形成される[[胎子]]と[[羊水]]を包む[[胚膜]]のひとつ。[[漿膜]]と共に[[胎児]]を包むが、直接に胎児を包むのがこちらである。[[外胚葉]]を起源とする。 |
||
羊膜の胎子側の空洞は[[羊膜腔]]と呼ばれ、羊水によって満たされている。羊水は胎子と羊膜との付着を防ぎ、胎子の運動を可能にしている。[[分娩]]時には[[破水]]を起こし、胎子の[[娩出]]を助ける。 |
羊膜の胎子側の空洞は[[羊膜腔]]と呼ばれ、羊水によって満たされている。羊水は胎子と羊膜との付着を防ぎ、胎子の運動を可能にしている。[[分娩]]時には[[破水]]を起こし、胎子の[[娩出]]を助ける。 |
||
== ヒト == |
== ヒト == |
||
羊膜は子宮と胎盤の最内層を覆う半透明の薄い膜(約 |
羊膜は子宮と[[胎盤]]の最内層を覆う半透明の薄い膜(約100 - 150[[マイクロメートル]])で、胎盤胎児側および{{読み仮名|[[臍帯]]|さいたい}}の外周を包む。羊膜上皮組織とその下の基底膜、[[コラーゲン]]に富む無血管性の実質(間質)組織から構成される。 |
||
{{ill2|大網膜|en|Caul}}と共に生まれる子供を被膜児・幸帽児( child born with the caul )という。このケースは早産の場合に見られる<ref>[https://kotobank.jp/word/被膜児-1400264 被膜児] コトバンク</ref>。 |
|||
== 医療への応用 == |
== 医療への応用 == |
||
羊膜は、物理的に非常に薄い上に透明性が高いにも |
羊膜は、物理的に非常に薄い上に透明性が高いにもかかわらず、柔軟かつ丈夫である。一方で、母体と胎児という異物の間に介在しているという性質から、生理的にも移植の際に[[拒絶反応]]が起こりにくく([[MHC]] Class II 陰性、 [[MHC]] Class I 弱陽性)、抗[[炎症]]作用、[[創傷|創]]修復促進作用を持つとされている。 |
||
上記の特徴から、皮膚熱傷後の被覆や臍ヘルニアの修復、人工膣、腹部手術の際の癒着防止等で用いられるのみならず、近年再生医療においても角膜・食道・気管・血管・皮膚・鼓膜などの再生に羊膜が用いられている。特に難治性眼表面疾患における角膜移植では、移植の際の基質として用いられ現在の所良好な成績を上げている。 |
上記の特徴から、皮膚[[熱傷]]後の被覆や[[臍ヘルニア]]の修復、人工膣、腹部手術の際の癒着防止等で用いられるのみならず、近年[[再生医療]]においても[[角膜]]・[[食道]]・[[気管]]・[[血管]]・[[皮膚]]・[[鼓膜]]などの再生に羊膜が用いられている。特に難治性眼表面疾患における角膜移植では、移植の際の基質として用いられ現在の所良好な成績を上げている。 |
||
== 脚注 == |
|||
{{Reflist}} |
|||
⚫ | |||
*{{Citation|和書 |
|||
| editor = 日本獣医解剖学会 |
|||
| title = 獣医組織学 |
|||
| edition = 改訂第2 |
|||
| publisher = [[学窓社]] |
|||
| year = 2003 |
|||
| isbn = 4-87362-113-5 }} |
|||
== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
||
18行目: | 32行目: | ||
*[[卵白]] |
*[[卵白]] |
||
*[[胎盤]] |
*[[胎盤]] |
||
*[[羊膜斑]] |
|||
*[[石灰沈着]] |
|||
*[[羊膜縫線]] |
|||
⚫ | |||
*日本獣医解剖学会編集 『獣医組織学 改訂第二版』 学窓社 2003年 ISBN 4873621135 |
|||
== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
||
*{{Cite web|和書 |
|||
| url = http://www.ikujizubari.com/jiten/amnion.html |
|||
| archiveurl = https://web.archive.org/web/20071217025918/ikujizubari.com/jiten/amnion.html |
|||
| title = 羊膜 |
|||
| work = 妊娠用語辞典 |
|||
| website = e-妊娠 |
|||
| accessdate = 2007-12-26 |
|||
| archivedate = 2007-12-17 |
|||
| url-status=dead|url-status-date=2020-03-10 }} |
|||
{{Normdaten}} |
|||
⚫ | |||
{{DEFAULTSORT:ようまく}} |
{{DEFAULTSORT:ようまく}} |
||
[[Category:組織学]] |
[[Category:組織学]] |
||
[[Category:発生生物学]] |
[[Category:発生生物学]] |
||
⚫ | |||
[[az:Amnion]] |
|||
[[ca:Amni]] |
|||
[[cs:Amnion]] |
|||
[[de:Amnion]] |
|||
[[en:Amnion]] |
|||
[[eo:Amnio]] |
|||
[[et:Amnion]] |
|||
[[kk:Амнион]] |
|||
[[lt:Amnionas]] |
|||
[[nl:Amnion]] |
|||
[[pl:Owodnia]] |
|||
[[pt:Âmnion]] |
|||
[[ru:Амнион]] |
|||
[[sr:Амнион]] |
|||
[[sv:Amnion]] |
|||
[[te:ఉల్బం]] |
|||
[[tl:Amnion]] |
|||
[[tr:Amniyon sıvısı]] |
|||
[[uk:Амніон]] |
|||
[[vi:Màng ối]] |
|||
[[zh:羊膜]] |
2024年7月18日 (木) 02:40時点における最新版
この記事のほとんどまたは全てが唯一の出典にのみ基づいています。 (2013年2月) |
羊膜(ようまく、英: amnion)は、脊椎動物の爬虫類、鳥類、哺乳類の動物の発生の過程において形成される胎子と羊水を包む胚膜のひとつ。漿膜と共に胎児を包むが、直接に胎児を包むのがこちらである。外胚葉を起源とする。
羊膜の胎子側の空洞は羊膜腔と呼ばれ、羊水によって満たされている。羊水は胎子と羊膜との付着を防ぎ、胎子の運動を可能にしている。分娩時には破水を起こし、胎子の娩出を助ける。
ヒト
[編集]羊膜は子宮と胎盤の最内層を覆う半透明の薄い膜(約100 - 150マイクロメートル)で、胎盤胎児側および
大網膜と共に生まれる子供を被膜児・幸帽児( child born with the caul )という。このケースは早産の場合に見られる[1]。
医療への応用
[編集]羊膜は、物理的に非常に薄い上に透明性が高いにもかかわらず、柔軟かつ丈夫である。一方で、母体と胎児という異物の間に介在しているという性質から、生理的にも移植の際に拒絶反応が起こりにくく(MHC Class II 陰性、 MHC Class I 弱陽性)、抗炎症作用、創修復促進作用を持つとされている。 上記の特徴から、皮膚熱傷後の被覆や臍ヘルニアの修復、人工膣、腹部手術の際の癒着防止等で用いられるのみならず、近年再生医療においても角膜・食道・気管・血管・皮膚・鼓膜などの再生に羊膜が用いられている。特に難治性眼表面疾患における角膜移植では、移植の際の基質として用いられ現在の所良好な成績を上げている。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 日本獣医解剖学会 編『獣医組織学』(改訂第2)学窓社、2003年。ISBN 4-87362-113-5。