8020運動
8020運動(はちまるにいまるうんどう)とは、日本において展開されている歯科に関する運動で、満80歳で20本以上の歯を残そうとするのが主目的である[1]。厚生労働省や日本歯科医師会により推進されている[2][3]。
現状
編集1999年に行われた第八回歯科疾患実態調査によると、80歳での残存歯数は約8本、20本以上の残存歯を持つ者は約15%となっている[4]。2005年に行われた第九回歯科疾患実態調査においては、80歳での残存歯数は約10本、80-84歳で20本以上の残存歯を持つ者は21.1%と前回調査に比べ、さらに大幅に増加した[5]。口腔衛生への関心の高まりを反映し、残存歯数、20本以上の残存歯を持つ者の割合共に増加してきている。2016年に行われた歯科疾患実態調査においては、8020達成者の割合(80歳で20本以上の歯を有する者の割合)を51.2%と推計している[6]。
経緯
編集- 1985年
- 1987年
- 神奈川県厚木市で開催された地域歯科保健研究会(保健所歯科の会)「厚木ワークショップ」で、80歳で喪失歯を10本までとする「8010」(「めざそう80歳 欠損歯は10歯まで」)を提唱[8]。
- 1989年
- 愛知県にて目標を残存歯20本以上とする、8020運動開始[9][10]。
- 成人歯科保健対策検討会の中間報告で8020運動が取り上げられる[2]。これ以降この運動が全国に広まる。
- 2000年
- 21世紀における国民健康づくり運動にて、2010年までに20本以上の残存歯を持つ者を20%とする事を目標とする[11]。
- 8020推進財団設立[1]。
- 2013年
出典
編集- ^ a b “ご案内”. 8020推進財団. 2014年10月23日閲覧。
- ^ a b “平成22年版厚生労働白書 資料編” (PDF). 厚生労働省. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “8020運動”. 日本歯科医師会. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “平成11年歯科疾患実態調査の概要”. 厚生労働省. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “平成17年歯科疾患実態調査結果について:結果の概要”. 厚生労働省. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “平成28年歯科疾患実態調査”. 厚生労働省. 2017年7月31日閲覧。
- ^ 後藤真人、石井拓男、榊原悠紀田郎「成人歯科保健の指標としての「噛めかた」についての予備的研究」『口腔衛生学会雑誌』第35巻第5号、一般社団法人日本口腔衛生学会、1985年10月、127-128頁、doi:10.5834/jdh.35.815、NAID 130001315368、2014年10月23日閲覧。
- ^ “8020運動に係る主な動き”. 日本歯科医師会. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “8020運動とは?”. 愛知県医師会. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “平成21年度第2回生活習慣病対策協議会 資料2-9 8020達成サポート事業” (PDF). 愛知県. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “健康日本21(歯の健康 ) 3.現状と目標”. 厚生労働省. 2014年10月23日閲覧。
- ^ “11月8日は「いい歯の日」港区は全国で初めて「8020運動」50%超えの目標を達成しました!”. 東京都港区. 2014年10月23日閲覧。