シマイサキ(縞伊佐幾、Rhynchopelates oxyrhynchus)は、河口から内湾に生息している魚。食用魚。西太平洋に広くで見られ、タイプ産地は日本である。

シマイサキ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: シマイサキ科 Terapontidae
: シマイサキ属 Mesopristes
: シマイサキR.oxyrhynchus
学名
Rhynchopelates oxyrhynchus
Temminck & Schlegel, 1842
和名
シマイサキ(縞伊佐幾)
英名
Sharpbeak terapon

分布

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日本国内では、屋久島以北本州以南。迷魚として久米島から記録されている。国外では、朝鮮半島東シナ海南シナ海台湾東南アジアの沿岸[1]

形態

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全長は20-40cm。体はやや細長く側扁し、口は小さく[1]吻は劣る[2]。唇はやや厚い。2本の鋭い棘がある。尾鰭はわずかに湾入する。体色は稚魚では褐色で[1]、幼魚は黄色[2]。成長とともに青みを帯びた白色に変わる。数本の黒色縦帯が体側を直走し、和名のもとになっている。体側中央の黒色縦帯は、上唇から眼を通って尾鰭に達している。尾鰭にも放射状に広がる細い暗色の縞模様がある。斑紋の発現パターンは成長とともに変化する。胸鰭条数は13-14、側線鱗数は58-80、背鰭基底中央直下の横列鱗数は10-11[1]

生態

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主に内湾や汽水域生息し、特に河口に広がるアマモ場では、夏になると、本種の幼魚がよく捕れる[2]。幼魚は河川の淡水域まで遡上する[1]。また、川底に沈むカキの殻やタイヤなどに隠れていることも多く、こうした障害物の近くに網を入れると捕れることが多い[2]。産卵期は5~8月で[1]、卵はオスによって守られる[3]を収縮させて「グウグウ」と発音する[1][2]。小型の甲殻類多毛類、小魚などを食べる動物食性[1]

利用

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刺身や塩焼き、煮つけなどで賞味する[1]。国内では養殖も行われている[3]

別名

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地方名はスミヤキ、カワススギ、スミナガシなど[2]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i 細谷和海 『増補改訂 日本の淡水魚』 山と渓谷社 2019年 349頁
  2. ^ a b c d e f 松沢陽士 『ポケット図鑑日本の淡水魚258』 文一総合出版 2016年 215頁
  3. ^ a b https://fishbase.mnhn.fr/summary/Rhynchopelates-oxyrhynchus.html