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==概要==
現生種は淡水を中心とした世界中の寒冷水域に生息し、熱帯域には全く見られない。
日本国内では、カワヤツメ''Lethenteron japonicum''、スナヤツメ''L. reissneri''、シベリアヤツメ''L. kessleri''、ミツバヤツメ''Lampetra tridentata''の4種が生息するとされており、このうちカワヤツメと一部のスナヤツメは食用になる(後述)。外見的な大きな特徴は、無顎類(円口類)の名の通り、[[顎]]を欠くことである。その他にも[[対鰭]]を持たないなど、無顎類の[[姉妹群]]である顎口類を特徴づける多くの重要な形質を欠いているため、同じ現生無顎類の[[ヌタウナギ]]などとともに、脊椎動物の起源と[[進化]]を考える上で極めて重要である。
 
==生物学的特徴==
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体の両側に7対の鰓孔があり、それが一見[[目|眼]]のようにみえることから本来の眼とあわせて「八目」と呼ばれる。[[鱗]]のない体は細長く「[[ウナギ]]型」で、種によって体長13-100cmと幅がある。明確な正中鰭([[背鰭]]、[[尾鰭]])を持つが、対鰭を全く欠く。
 
[[骨格]]は全て[[軟骨]]で、現生の他の顎口類などと比べるとあまり発達しているようには見えない。[[脊椎]]に関しても[[椎体]]がなく、代わりに支持器官として太い[[脊索]]を一生保持しており、この背側に脊椎骨の成分である[[神経弓]]だけが対になって連続している。
無顎類に共通する特徴として、顎を持たないことが挙げられる。ヤツメウナギの成体の口は吸盤状をしており、強い吸引機能を持つ。これで河底の石などに吸いついて、姿勢を保持することができる。またカワヤツメなど、多くの種ではこうした吸盤状の口で他の魚類などに取り付き、ヤスリ状の角質歯で傷を付けて体液を吸う。一見するとその様は大きな[[ヒル (動物)|ヒル]]が取り付いているようにも見える。
更に、そもそもヤツメウナギの軟骨は、軟骨細胞外マトリックスとしてlamprinと呼ばれる[[エラスチン]]様の独特な[[タンパク質]]を多分に含み、他の多くの脊椎動物とは軟骨の成分自体が大きく異なるとされる。
 
無顎類に共通する特徴として、顎を持たないことが挙げられる。ヤツメウナギの成体の口は吸盤状をしており、強い吸引機能を持つ。これで河底の石などに吸いついて、姿勢を保持することができる。またカワヤツメなど、多くの種ではこうした吸盤状の口で他の魚類などに取り付き、ヤスリ状の角質歯で傷を付けて体液を吸う。一見するとその様は大きな[[ヒル (動物)|ヒル]]が取り付いているようにも見える。
[[外鼻孔]]は、1対開口する顎口類とは異なり、単一のみで、頭頂に開口する。鼻管は盲嚢状。[[内耳]]には[[半規管]]を2つだけ持ち、これも[[三半規管]]を持つ顎口類とは異なる。[[眼]]は大きく、よく発達した[[レンズ]]や[[外眼筋]]も備えている。
 
[[骨格外鼻孔]]は全て[[軟骨]]で1対開口する顎口類など比べるとかは異なり発達が悪く硬質単一支持体というよりみで、頭頂に開口する。鼻管間葉盲嚢との印象を受ける。[[脊椎内耳]]に関しても[[椎体半規管]]がなくを2つだけ持ち太いこれも[[脊索三半規管]]を一生保し、つ顎口類とは異なる。この背側に[[神経弓]]だけが対よう脊椎動物の中でも「原始的」特徴を数多く持て連続している。
[[眼]]は大きく、よく発達した[[レンズ]]や[[外眼筋]]も備えている。
更に、そもそもヤツメウナギの軟骨は、軟骨細胞外マトリックスとしてlamprinと呼ばれる[[エラスチン]]様の独特な[[タンパク質]]を多分に含み、他の多くの脊椎動物とは軟骨の成分自体が大きく異なるとされる。
 
繁殖は淡水河川で行い、3mm程度の黄色い卵を、種によって数百~数万個も産卵する。ひと月ほどで孵化すると、まずアンモシーテスと呼ばれる幼生期を数年間過ごし、その後成体へと変態する。アンモシーテス(Ammocoete)とは、もともと新属として設けられた名称だったが、これがヤツメウナギの幼生と判明すると、その名称がそのまま幼生の呼称となった。アンモシーテス幼生の基本的な概形は成体に似るが、口は吸盤状でなく[[漏斗]]のようで、泥底に潜って水中から有機物を濾しとって食べている。また[[眼]]が未発達であり、外からはほとんど確認することができない。