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{{Otheruses|熱帯魚}}
<table border=1 cellspacing=0 align=right cellpading=0>
{{生物分類表
<tr><th align=center bgcolor=pink>シムフィソドン属 ''Symphysodon''
| 名称 = シムフィソドン属 ''Symphysodon''
<tr><td align=center>[[画像:Discus fish.jpg|250px]]<br>ピジョンブラッドディスカス<br>''Symphysodon aequifasciatus''
| 画像 = [[画像:Discus fish.jpg|250px|ピジョンブラッドディスカス]]
<tr><th align=center bgcolor=pink>[[生物の分類|分類]]
| 画像キャプション = ピジョンブラッドディスカス<br />''Symphysodon aequifasciatus''
<tr><td><table align=center>
| 省略 = 条鰭綱
<tr><td>界:</td><td>[[動物]]界 Animalia
| 目 = [[スズキ目]] {{Sname||Perciformes}}
<tr><td>門:</td><td>[[脊索動物]]門 Chordata
| 科 = [[カワスズメ科]] {{Sname||Cichlidae}}
<tr><td>亜門:</td><td>[[脊椎動物]]亜門 Vertebrata
| 亜科 = [[キクラソマ亜科]] {{Sname||Cichlasomatinae}}
<tr><td>上綱:</td><td>[[魚類|魚上綱]] Pisciformes
| 族 = [[ヘロス族]] {{Sname||Heroini}}
<tr><td>綱:</td><td>[[硬骨魚綱]] Osteichthyes
| 属 = '''シムフィソドン属''' ''Symphysodon''<br />[[ヨハン・ヤコブ・ヘッケル|Heckel]], [[1840年|1840]]
<tr><td>目:</td><td>[[スズキ目]] Perciformes
| 下位分類名 = 種類
<tr><td>亜目:</td><td>[[ベラ亜目]] Labroidei
| 下位分類 = <div style="text-align:center">本文参照</div>
<tr><td>科:</td><td>[[シクリッド]]科 Cichlidae
| 英名 = [[w:Discus (fish)|Discus]]
<tr><td>亜科:</td><td>キクラソマ亜科 Cichlasomatinae
|生息図 = [[ファイル:Distribution of Symphysodon.png|250px]]
<tr><td>族:</td><td>ヘロス族 Heroini
|生息図キャプション = 自然分布(橙の部分)
<tr><td>属:</td><td>'''シムフィソドン属''' ''Symphysodon''<br>[[ヨハン・ヤコブ・ヘッケル|Heckel]], [[1840年|1840]]</table>
}}
<tr><th align=center bgcolor=pink>種類
'''ディスカス'''({{Lang-en-short|discus}} fish)は、[[南アメリカ]]の[[アマゾン川]]原産の[[淡水魚]]で、[[シクリッド科]]・'''シムフィソドン属''' ''Symphysodon'' に分類される魚である<ref name="中村">中村庸夫『魚の名前』2006年 東京書籍 ISBN 4487801168</ref>。観賞用[[熱帯魚]]として人気がある。
<tr><td align=center>本文参照
<tr><th align=center bgcolor=pink>英名
<tr><td align=center>[[w:Discus (fish)|Discus]]</table>
'''ディスカス'''(Discus)は、[[南アメリカ]]の[[アマゾン川]]などが原産の[[淡水魚]]で、スズキ目・シクリッド科・'''シムフィソドン属''' ''Symphysodon'' に分類される魚を指す。[[熱帯魚]]として人気がある。
 
== 特徴 ==
長すると魚は最大で全長 20 cm、尾ビレを含まない体長は 13 cm ほどになる。体は扁平で非常に体高が高く、横から見るとほぼ円形で、[[円盤]](ディスク)型の体を持つことからこの名があるつけられた。背ビレと尻ビレが非常に長く、体の後半部を囲む。体の側面には黒い横帯が8程度走る。それ以外の体型・[[体彩のパターン]]には変化個体/地域差大きい。一般に赤褐色の地色に、青色から緑色の不規則な筋状の発色がある。原産地では、乾季は倒木の隙間、[[水生昆虫|雨季]]は水没林に生息し水棲の小動物や動物性・植物性デトリタスを摂餌する<ref name=":0">[http://www.scielo.br/scielo.php?pid=S1679-62252008000400008&script=sci_arttext]</ref>。[[画像:Diskuslaich1.jpeg|thumb|left|200px|卵を保護する]]
乾季は倒木の間に群れを形成しグループで生活するが、雨季になるとオスとメスのペアは繁殖のために水没林に移動する。つがいは[[水草]]や木の表面などに 50–300 個ほど産卵し、両親で卵を保護する<ref name=":0" />。卵は2.5日ほどで[[孵化]]し、さらに稚魚は孵化後7日間かけて卵黄を吸収する。稚魚が両親の周囲を群れて泳ぎはじめると、親魚は体からディスカスミルクと呼ばれる[[粘液]]を[[分泌]]し、稚魚はこれを摂餌する。泳ぎだしたばかりのディスカスの稚魚はプランクトンなどの餌を摂餌できないのでディスカスミルクは稚魚にとって必要不可欠である<ref>http://link.springer.com/article/10.1007/s10228-016-0530-y</ref>。
 
ディスカスは円盤状の体型に鮮やかな模様が入ることから、熱帯魚としても人気が高く、「熱帯魚の王様」と呼ばれ、他のシクリッドよりも比較的高価で取引されるが、飼育は餌や水質管理などの面からやや難しい。一般的に牛ハツのミンチに様々な栄養を添加したディスカス・ハンバーグや赤虫, 人工飼料が餌として用いられる。本種の原種の色彩は、個体/採集された地域によって大きな変異があり、美しいとされる個体は特に高い値段で取引される。また、[[アジア|東南アジア]]、[[ヨーロッパ]]においては、養殖、品種改良が盛んで、ブルーダイアモンド・ピジョンブラッド・スネークスキンなどの様々な品種が存在する。
原産地では、川の深い岩場や木の根の張り巡らされた水底などに潜む。水生昆虫その他水中の動物性[[プランクトン]]、あるいは植物性プランクトンなどを食べる。
[[画像:Diskuslaich1.jpeg|thumb|left|200px|卵を保護する]]
普段は群れで行動するが、繁殖期にはオスは[[縄張り]]を作り、メスを誘う。つがいは[[水草]]や木の表面などに50個-300個ほど産卵し、両親で卵を保護する。
 
卵は数日で[[孵化]]し、さらに数日で稚魚が卵黄を吸収する。稚魚が両親の周囲を群れて泳ぎ始めると、親魚は体からディスカスミルクと呼ばれる[[粘液]]を[[分泌]]し、稚魚はこれを吸って成長する。子供の世話はオスメスで行い、子供は全長5cmを超えるまで親と行動を共にする。これはシクリッドの中でも独り立ちが遅い部類である。
 
ディスカスは円盤状の体型に鮮やかな模様が入ることから、熱帯魚としても人気が高く、「'''熱帯魚の王様'''」と呼ばれることもある。他のシクリッドよりも比較的高価で取引されるが、飼育は餌や水質管理などの面からやや難しい。原種の体色は褐色系統が強いものが多いが、[[アジア]]、[[ヨーロッパ]]などで養殖、品種改良が盛んで、赤、コバルトブルーなどの色の強い美麗種が数多く作出され、流通している。
== 野生種、亜種 ==
産地や環境本種の分類よって捕獲され関す個体の色調、模様など研究はいまだ議論異なることから、野生のものもているが大きつかの[[分け2種5亜種]]に分けられる。かつてReadyら (2006)これら2種に加え''S. tarzoo''を提唱している<ref name="Ready" />。また、Farias and Hrbek (2008)はシングー川産亜種がブラウンディスカスという1種グループ・ヘッケルおよびウワツマ・ヤムンダ周辺のブルーディスカスグループ・マナカプルブルーディスカスグループ・上流のグリーンディスカスグループの4つが遺伝的属す独立していされていたが、2種に分けられを示し<ref name=":1">http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1055790308002716</ref>。ただしこれは一定の傾向は認められるものの、産地によっては種の特徴の変化は連続的で、種同士の[[交雑]]の可能性が指摘されている。
<gallery>
[[Image:Discus heckel.jpg|thumb|left|150px|right|ヘッケルブルーディスカス]]
===Image:Discus heckel.jpg|ヘッケルブルーディスカス===
image:Symphysodon from Putumayo.JPG|グリーン・ディスカス
学名 ''Symphysodon discus'' [[ヨハン・ヤコブ・ヘッケル|Heckel]], 1840 英名 Red discus
image:Gdynia ryba.jpg|ブラウン・ディスカス
image:Blue Discus.jpg|ブルー・ディスカス
</gallery>
 
=== ヘッケル・グループ ===
南アメリカ、[[ブラジル]]の[[アマゾン川]]流域、[[ネグロ川]]、アバカシス川、トロンベタス川に分布する。ディスカスとして最初に記載された種である。体の側面には黒い横縞(垂直方向の帯)が目立つが、そのうち中央部付近の黒帯が特に太い。ヘッケル (Heckel) は、学名の命名者ヨハン・ヤコブ・ヘッケルに由来する。
学名 ''Symphysodon discus'' Heckel, [[1840年|1840]]、 英名 red discus。
===グリーンディスカス ===
 
南アメリカ、[[ブラジル]]の[[アマゾン川]]流域、[[ネグロ川]]、アバカシス川、トロンベタス川に分布する。ディスカスとして最初に記載された種である。体の側面には黒い横縞(垂直方向の帯)が目立つが、そのうち中央部付近の黒帯が特に太い。ヘッケル (Heckel) は、学名の命名者[[ヨハン・ヤコブ・ヘッケル]]に由来する。さらにヘッケル・グループは鱗の枚数の差異から2種に分類される。
 
=== aequifasciatus・グループ ===
学名 ''Symphysodon aequifasciata'' Pellegrin, [[1904年|1904]] 英名 Blue discus
学名 ''Symphysodon aequifasciata'' Pellegrin, [[1904年|1904]]、英名 blue discus。
 
南アメリカ、[[コロンビア]]・[[ペルー]]([[プトゥマヨ川]])。ブラジル(アマゾン川支流のソリモンエス川からアマゾン本流にかけての流域、[[トカンティチンス川]])に分布する。黒い帯は細めで、ヘッケルブルーと異なり、中央付近の帯が太くなることはない。
 
以前は体色から 3 亜種
かつては、ヘッケルブルーディスカス種の亜種として扱われていた。主に3亜種が知られる。
*グリーンディスカス(エクイファシアータ亜種・基亜種) ''S. aequifasciataa. aequifasciata'' Pellegrin, 1904
*ブラウンディスカス(アクセルロディ亜種) ''S. a. axelrodi'' Schultz, [[1960年|1960]]
*ブルーディスカス(ハラルディ亜種) ''S. a. harardi'' Schultz, 1960
に分けられていたが、基産地が不明確・標本が少ないなどの理由から現在では認められていない。さらに、ミトコンドリアDNAによる分子系統解析では、ヘッケルブルーディスカスとの間での遺伝的差異も認められない<ref name=":1" /><ref name=Ready>{{cite journal|author=J. S. READY, E. J. G. FERREIRA, S. O. KULLANDER|title=Discus fishes: mitochondrial DNA evidence for a phylogeographic barrier in the Amazonian genus Symphysodon (Teleostei: Cichlidae)|journal=Journal of Fish Biology|year=2006|volume=69|issue=Supplement B|pages=200–211|doi=10.1111/j.1095-8649.2006.01232.x}}</ref>。しかし、これらの分類は観賞魚として流通する際は一般的である。
 
=== ''Symphysodon tarzoo'' ===
アマゾン西部に側所的に分布する種で、低地に分布するグループとは顕著な遺伝的差異が認められている<ref name=Ready/>。
 
== ブリード種 ==
==関連項目==
野生種の繁殖が難しいことや健康維持の問題により専門家は野生種を繁殖させたブリード種を販売されている。
この改良品種は主に東南アジアの[[シンガポール]]、[[マレーシア]]、[[タイ王国|タイ]]、[[インドネシア]]、[[ベトナム]]であり、[[水素イオン指数]](pH)の高い地域でブリードされている<ref>Jack Wattley『Discus Breeding for Beginners』2000年 Tfh Pubns Inc ISBN 0793830087</ref>。
そして[[水素イオン指数]](pH)が高い理由としては[[ミネラル]]要素が高いからである<ref>Jack Wattley『Discus Breeding for Beginners』2000年 Tfh Pubns Inc ISBN 0793830087</ref>。
 
様々なブリード種が存在する中で代表的ななものは、ブルーダイアモンド、コバルトブルー、ターコイズブルー、レッドメロン、スネークスキン、リングレオパード、オリエンタルドリーム、タイガーターコイズ、ミルキーウェイ、アルビノディスカスである。
 
Japan Discus Laboratry(日本ディスカス研究所)代表の栖原稔によると"ディスカスの殆どの個体は、ホルモン剤(テストストロン系)が使用されています、輸入業者でも知らないのですが、輸入後半年で25%以上の死亡率"<ref>https://discus-japan.com/howto-discus-from-amateur-to/</ref>のため、購入時には注意が必要である。
 
== 脚注 ==
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Symphysodon}}
* [[魚の一覧]]
* [[アドエア]]
 
== 外部リンク ==
* [https://discus-japan.com/howto-discus-from-amateur-to/ ディスカス飼育で失敗しない方法:初心者からマニアまで (筆者: 栖原稔)]
* [https://discus-japan.com/how-to-discus-fish/ 熱帯魚「ディスカス」とは?飼育方法と難易度]
 
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ていすかす}}
[[Category:シクリッド]]
[[Category:淡水魚]]
[[Category:熱帯魚]]
 
[[az:Discus]]
[[cs:Terčovec]]
[[de:Diskusfische]]
[[en:Discus (fish)]]
[[es:Symphysodon]]
[[fa:دیسکوس]]
[[fi:Kiekkokala]]
[[fr:Symphysodon]]
[[he:דיסקוס]]
[[hu:Diszkoszhal]]
[[it:Symphysodon]]
[[lt:Diskai]]
[[mk:Дискус]]
[[nl:Symphysodon]]
[[no:Discuser]]
[[pl:Dyskowiec]]
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[[ru:Дискус]]
[[sk:Terčovec]]
[[sl:Diskus]]
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