2025.01.16
# 日本史

1877年6月、日本にやってきたアメリカ人が驚嘆…日本人の「正直さ」と「戸締まり事情」

なんて治安がいい…!

日本とは、どんな国なのか。社会が混乱するなか、こうした問題について考える機会が増えた人も多いかもしれません。

日本という国のあり方を、歴史的に考えるうえで重要な視点を授けてくれるのが、『日本その日その日』(講談社学術文庫)という書籍です。

著者は、エドワード・S・モース。1838年にアメリカのメイン州に生まれた動物学者です。

1877年6月、39歳のモースは、日本近海に生息する「腕足類」の標本を採集するため、日本にやってきました。日本には2年間滞在するのですが、そのあいだに大森貝塚を発見したことでよく知られています。

本書は、モースが日本で見聞きしたことをつぶさにつづった一冊です。当時の日本のありようが、一人の研究者の目をとおして、あざやかに浮かび上がってきます。

たとえば、東京ですごしていたモースは、人々の「正直さ」に感心しています。『日本その日その日』より引用します(読みやすさのため、改行などを編集しています)。

***

人々が正直である国にいることは実に気持がよい。

私は決して札入れや懐中時計の見張りをしようとしない。錠をかけぬ部屋の机の上に、私は小銭を置いたままにするのだが、日本人の子供や召使は一日に数十回出入りしても、触ってならぬ物には決して手を触れぬ。

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