<figure id="attachment_410217" aria-describedby="caption-attachment-410217" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e4c294a5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2025/01/d80f58f3b2785f484c30d5ea35192afe.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-410217" class="wp-caption-text">巨大市場になろうとしているグミ業界、’23年は792種類の新商品が登場</figcaption></figure>
<h2><span class="strongInContent">製菓業界の歴史を変えた&#8221;ガム&#8221;から&#8221;グミ&#8221;への逆転</span></h2>
<p>グミ業界はついに、年間1000億円規模の巨大市場になろうとしている。</p>
<p>製菓業界の歴史を変える衝撃的な事件が起こったのは今から約４年前、’21年のことだった。長らくガムの後塵を拝してきたグミの市場規模が、史上初めて逆転したのだ。このとき、グミは年間販売金額ベースで635億円を記録し、翌’22年には781億円に成長、’23年には972億円まで伸びた。’24年の正確な数値はまだ出ていないものの、昨今の成長を考えれば、グミ市場は1000億円を軽く超える売り上げを記録したことだろう。</p>
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<p>日本国民はいかにしてガムを食べることをやめ、グミを愛するようになったのか。経済ジャーナリストの高井尚之氏はこう分析する。</p>
<p><span class="strongInContent">「’21年は、コロナ禍の真っ只中でした。対面でのコミュニケーションが減少し、エチケット需要がなくなってしまったことでガムは大きなダメージを受けたのです。一方で、グミは在宅ワークでの気分転換の手段として躍進していった。ガムは固さや形がある程度、固定化されていましたが、グミは色や形、味、食感が多彩で、身近にある楽しみとして支持を集めました。写真映えすることから、SNSとの相性もよかった。総じて、グミは時代にマッチしている菓子なのです」</span></p>
<p>絶好調のグミ市場だが、日本での歴史は、意外にも浅い。流通科学大学教授の白鳥和生氏が解説する。</p>
<p><span class="strongInContent">「1920年、ドイツのボンという町に住む菓子職人、ハンス・リーゲルがハリボーという小さな会社を起業。２年後に『ダンシングベア』という世界初のグミを開発しました。これはのちに『ゴールドベア』という名前に変わり、現在でも世界中で愛されています。ただ、日本で初めてグミが発売されたのはハリボーから約60年後の’80年でした。明治が『コーラアップ』を開発したのです。もっとも、当時の『コーラアップ』はオブラートに包まれた、『ボンタンアメ』のようなお菓子でした。’85年には、それまで並行輸入品として出回っていた『ゴールドベア』が正式に日本上陸。これに呼応するように、UHA味覚糖も『コスミック21』を発売するなど、プレイヤーが増えていきました。しかし、この時点では市場はあまり盛り上がっておらず、せいぜい数十億円規模に留まっていました」</span></p>
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<p>状況が一変したのは、’88年のことだった。明治が特大ヒット商品となる『果汁グミ』を発売したのだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「当時、『ゴールドベア』のような固いグミは日本人の嗜好(しこう)に合っていなかった。そこで明治は、柔らかくも弾力のある噛(か)み心地を追求したのです。最も人気を博したのは、ぶどう味でした。明治の担当者は、『グミの原料であるゼラチンとぶどう味の成分の相性がよく、ジューシーさを感じやすい』と言っていました」（前出・高井氏）</span></p>
<p>『果汁グミ』の登場により、’90年にはグミ市場は約250億円規模にまで成長。明治はその後も『ポイフル』や『キシリッシュグミ』など人気グミ商品を展開し、現在に至るまでグミ市場のナンバーワン企業として君臨し続けている。</p>
<figure id="attachment_410213" aria-describedby="caption-attachment-410213" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="51b30262"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2025/01/a346db224912ce93b6b2fc9eaeafdf9a.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-410213" class="wp-caption-text">明治のグミのCMには７人組人気アイドルグループ『FRUITS ZIPPER』が起用された。写真は明治公式HPより</figcaption></figure>
<div data-friday-nextpage-lead="&quot;打倒明治&quot;"></div>
<h2><span class="strongInContent">王座狙う各社の新商品</span></h2>
<p>ところが――。現在、明治は数々のライバル企業たちに肉薄されているという。″打倒明治″の筆頭格は、1912年創業の飴メーカー・カンロだ。同社は’02年、グミ業界でのちにナンバーワン商品へと成長する『ピュレグミ』を発売したことで、一躍最前線に躍り出た。</p>
<p><span class="strongInContent">「当時は子供を主なターゲットにしているグミが多かったなか、Ｆ１層と呼ばれる20〜34歳の女性をコアターゲットに開発されたのが、『ピュレグミ』です。酸味の効いたパウダーと、フルーツの果肉のような食感、ハートをかたどった形状など、それまでの商品にはなかった特徴を持っていたうえ、酸(す)っぱさ控えめな『ピュレリング』や、高価格帯の『ピュレグミプレミアム』などバリエーションも豊富。オシャレでかわいいものに惹(ひ)かれる女性が『ピュレグミ』を手に取り、その女性が母親になって子供に買い与え、それを見た祖父母世代も食べるようになるという好循環を生みました」（前出・白鳥氏）</span></p>
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<p>カンロは『ピュレグミ』に加え、噛んでいるうちにグミからマシュマロのような食感になる『マロッシュ』を’20年に発売してＺ世代へアプローチするなど、勢いを増している。</p>
<p><span class="strongInContent">「一部では、『すでにカンロが明治に追いついたのではないか』という声も聞こえてきます」（業界紙記者）</span></p>
<p>明治、カンロという２強が業界を席巻するなか、グミ業界には新たなトレンドが生まれた。キーワードは、黎明期には忌避されていた「固さ」である。先駆けとなった商品は、’46年創業の菓子メーカー、カバヤ食品が開発した『タフグミ』（’14年発売）だ。高弾力食感とサワーパウダー、キューブ型の形状が特徴の大粒グミで、発売以降、着実に売り上げを伸ばしている。’23年にはカバヤ食品が本社を構える岡山市出身の俳優、鈴鹿央士（25）を起用してＣＭを打ち、昨年ついに『ピュレグミ』に次ぐ第２位のヒット商品となった。</p>
<p><span class="strongInContent">「噛みごたえのある商品は、男性にも人気。『タフグミ』のほか、ノーベル製菓の『男梅グミ』などがそれに当たります。王者・明治もこのトレンドを敏感にキャッチし、’21年からは各グミのパッケージに『かみごたえチャート』という６段階のメーターを表示しています」（お菓子勉強家の松林千宏氏）</span></p>
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<p>業界第３位のUHA味覚糖も、近年ではハード系のラインナップを強化している。’92年発売のロングセラー商品『シゲキックス』もハードな食感だが、それに加えて’22年には『忍者めし鋼(はがね) コーラ味』を発売。商品名の通り、鋼のように固いグミだ。</p>
<p><span class="strongInContent">「UHA味覚糖は’22年、『水グミ』という透明なグミもヒットさせました。これは『見た目も食感も水』というコンセプトで開発され、口どけのよさが魅力の商品です。一般的なグミには砂糖が使われていますが、加熱すると褐色になる『メイラード反応』が起こってしまううえ、ゼラチンも入れれば入れるほど黄色くなる。そこで、『水グミ』には砂糖を使わず、さらにこんにゃく粉を使うことでゼラチンの量を極限まで減らした。こうして、透明なグミが完成したのです」（前出・白鳥氏）</span></p>
<p>水分を多く含んだグミをコラーゲンで包んだ『コロロ』（’14年発売）も、UHA味覚糖の主力商品だ。</p>
<p><span class="strongInContent">「グミを製造する際の型は、コーンスターチで簡単に作れてしまう。つまり、他のお菓子と比べて設備投資にそこまで費用がかからないんです。そのため準備期間が短く、新しい商品が登場しやすいのです。’19年に発売されたグミは370種類でしたが、’23年には792種類にまで増加しています。これからもグミ業界の勢いは続くでしょう」（同前）</span></p>
<p>王道を歩み続ける明治、ナンバーワンブランドを引っ提げて頂点に肉薄するカンロ、新食感で新たなトレンドを生み出したカバヤ食品、UHA味覚糖。各社が業界シェア約10〜20％の間で鎬を削るグミ業界で、新たな大ヒットを生み出した者が、この″噛みごたえのあるバトル″を制するだろう。</p>
<p><a href="#" data-ident_hash="89b7b783"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2025/01/b1e808599fd14a5f0cc26590fdedf926.jpg" alt=""></a></p>
<figure id="attachment_410211" aria-describedby="caption-attachment-410211" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="23bce47e"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2025/01/4c4edb0b44cd17b32498003cfa253c37-2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-410211" class="wp-caption-text">『マロッシュ』のCMでは俳優の柄本佑（38）が人気インフルエンサーたちとコラボ。写真はカンロ公式HPより</figcaption></figure>
<figure id="attachment_410212" aria-describedby="caption-attachment-410212" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="20d8b583"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2025/01/5085906db8932797287140074a2ba243-3.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-410212" class="wp-caption-text">『ピュレグミ』のイメージキャラには３年連続で女優の伊藤万理華（28）が選ばれた。写真はカンロ公式HPより</figcaption></figure>
<figure id="attachment_410214" aria-describedby="caption-attachment-410214" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8e3ed0ba"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2025/01/c52a4987246256ef09f46825d88743fb.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-410214" class="wp-caption-text">固め食感の『フェットチーネグミ』のCMには『新しい学校のリーダーズ』が登場。写真はブルボン公式HPより</figcaption></figure>
<figure id="attachment_410215" aria-describedby="caption-attachment-410215" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2a49c503"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2025/01/4d9f92e8262507003398a1f8aec04ffc.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-410215" class="wp-caption-text">都内のドン・キホーテのグミ売り場。数十種類のグミが所狭しと並べられ、外国人観光客もカゴに詰め込んだ</figcaption></figure>
<p><a href="#" data-ident_hash="b516b531"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2025/01/7912975114099075853293ac12889d4b.jpg" alt=""></a></p>
<p>『FRIDAY』2025年2月7日号より</p>


年間1000億円規模の巨大市場になろうとしているグミ業界。いまやガムを完全に追い越し、グミ業界の勢いはとまらない。各社から続々と新商品が登場、新たな大ヒットを狙う！

【1000億円市場｢グミ｣大研究】いまやガムを完全に追い越した！　噛みごたえ充分な新商品バトル

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